お問い合わせ
かる・ける外国人採用 > 外国人採用 > 外国人技能実習生の現状と課題とは?問題点への取り組み事例も紹介

外国人技能実習生の現状と課題とは?問題点への取り組み事例も紹介

外国人技能実習生制度は、日本の労働力不足を補う重要な役割を果たしています。
しかし、制度の運用にはさまざまな課題が存在するのも事実です。
本記事では、外国人技能実習生の現状と課題、そして問題解決に向けた取り組みについて詳しく解説します。

外国人採用について問い合わせする

外国人技能実習生制度の現状

外国人技能実習生制度の現状

外国人技能実習生は、日本の産業界に欠かせない存在となっています。
しかし、制度の実態は複雑で、さまざまな側面から理解する必要があります。
ここでは、技能実習生の人数、受入れ職種、国籍別の状況など、制度を利用する実習生の現状を詳しく見ていきましょう。

外国人技能実習生の人数

令和5年度末時点における外国人技能実習生の人数は、404,556人に達しています。
これは、日本における中長期在留外国人全体のなかでも大きな割合を占めています。

外国人技能実習生の人数

出典:外国人技能実習制度について

日本の中長期在留外国人の総数は312万9,774人であり、その内訳を見ると、永住者が最も多く、技能実習生が2番目に多い状況です。
この数字からも、技能実習生が日本の労働市場において重要な役割を果たしていることがわかります。

外国人技能実習生の受入れ職種

外国人技能実習生の受入れ職種

出典:外国人技能実習制度について

外国人技能実習生の受入れ職種は、実に多岐にわたります。
日本の産業界の幅広いニーズに対応し、機械系、農業系などをはじめ、全部で91職種167作業が認められています。

実際の受入れが多い職種は、建設関係、食品製造関係、機械金属関係、農業関係です。
これらの分野では、慢性的な人手不足が問題となっており、技能実習生が重要な戦力となっています。

外国人実習生の国籍別受入れ状況

外国人実習生の国籍別受入れ状況

出典:外国人技能実習制度について

外国人技能実習生の国籍別の受入れ状況を見ると、ベトナム出身の実習生が最も多く、次いでインドネシア、フィリピン、中国の順です。

ベトナムからの技能実習生は約20万人にのぼり、全体の約半数を占めています。
この背景には、ベトナムが親日国であることや、母国よりも日本での生活環境・就労環境が良いことが考えられるでしょう。

外国人技能実習生制度の課題

外国人技能実習生制度は、日本の労働力不足解消に貢献する一方で、さまざまな課題に直面しているのも事実です。
ここでは、制度運用上の主な問題点である、労働基準関係法違反と実習生の失踪について詳しく見ていきます。
これらの課題を理解し、適切に対応することが、制度の健全な発展につながります。

労働基準関係法令違反の発生

外国人技能実習生が働く実習実施機関において、労働基準関係法令違反が発生しているケースが多く報告されています。
この問題は、技能実習制度の信頼性を損なう重大な課題です。

令和元年の調査では、関東地域の実習機関2,042件中、実に1,498件で労働基準関係法令違反が認められました。
これは全体の73%にもおよぶ高い割合です。
違反の内容としては、労働時間、賃金台帳、割増賃金に関するものが多く見られました。

このような違反が起こる背景には、受入れ企業の法令への理解不足や、コスト削減のための不適切な労務管理、言語の壁による意思疎通の問題、監督体制の不備などが考えられます。

外国人技能実習生の失踪

外国人技能実習生の失踪も深刻な問題となっています。
失踪数は年々増加傾向にあり、令和5年度には9,753人もの実習生が失踪しました。
この数字は、制度の運用に大きな課題があることを示しています。

外国人技能実習生が失踪する主な原因としては、賃金の不払いなど実習機関における不適正な取り扱いや、実習生側の経済的な事情(借金の返済など)、日本での生活・労働環境への不適応などが指摘されています。
実習期間での扱いに不満を抱き、より良い条件の仕事を求めて、認められていない転職に向かう実習生も少なくありません。

これらの問題は、単に個々の実習生や受入れ企業の問題ではなく、制度全体の構造的な課題を反映しているといえるでしょう。

外国人採用について問い合わせする

外国人技能実習生制度の課題に対する取り組み

外国人技能実習生制度が直面するさまざまな課題に対して、政府や企業は具体的な取り組みを行っています。
ここでは、制度改善に向けた政府の施策と、企業レベルでの先進的な取り組み事例を紹介します。
これらの取り組みを参考に、より良い実習環境の整備をめざしましょう。

政府の取り組み

外国人技能実習制度の健全な運用をめざし、政府はさまざまな施策を実施しています。
監理団体や受入れ企業に対する定期的な監査を行い、違法行為や不適切な対応の防止に努めることが主な内容です。
違反が見られた場合には、厳しい処分を行う方針を取っています。

また、平成29年には、外国人技能実習制度の適正な実施と実習生の保護を目的とした法改正が行われました。
主な改正内容には、以下のようなものが含まれています。

  • 技能実習の基本理念の制定
  • 技能実習計画の制定
  • 実習実施者の届出制
  • 管理団体の許可制
  • 技能実習生への人権侵害に対する罰則規定
  • 技能実習生への相談対応・情報提供

さらに、令和5年現在も制度の見直しが継続して行われています。
「外国人の人権保護」「外国人のキャリアアップ」「安全安心・共生社会」の3つの軸を中心に、制度の改善が進められているのです。

これらの取り組みにより、技能実習生の権利が守られ、より充実した実習環境が整備されることが期待されています。

企業の取り組み

多くの企業が、外国人技能実習生が働きやすい環境を整えるために独自の取り組みを行っています。
これらの先進的な事例は、他の企業にとっても参考になるでしょう。

具体的な取り組みの事例としては、以下のようなものがあります。

  • 日本語教室の開催など語学の習熟サポート
  • 母国語を話せる指導員の配置
  • 業務に関連する専門用語の学習支援や段階的な技術習得プログラムの実施
  • 清潔で快適な寮の整備など住宅環境の提供
  • コミュニケーション活性化を目的としたイベントの実施
  • 地域の祭りや文化行事への参加促進

これらの取り組みは、技能実習生の生活の質を向上させるだけでなく、受入れ企業と地域社会との良好な関係構築にも寄与しています。

外国人技能実習生の現状と課題を把握して働きやすい環境を整えよう

外国人技能実習生制度は、日本の労働力不足解消に重要な役割を果たしています。
しかし、労働基準関係法令違反や実習生の失踪など、解決すべき課題も少なくありません。

政府は法改正や監査強化などの対策を講じており、企業も独自の取り組みを行っています。
これらの努力により、技能実習生の権利が守られ、より充実した実習環境が整備されつつあります。

受入れ企業は、制度の現状と課題を正しく理解し、適切な対応を取らなければなりません。
技能実習生の人権を尊重し、彼らが安心して技能を習得できる環境を整えることが、制度の健全な発展につながるでしょう。

外国人採用について問い合わせする

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国71,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

いいねと思ったらシェア
かる・ける外国人採用

近年、労働力不足の中でも特に医療・介護人材は深刻と言われています。今後の安定的な人材の採用を考えると、外国人採用は避けては通れない状況となっております。かる・けるではアジア圏を中心に20代の人材を送り出し機関と協力し人選致しております。オンラインの事前面接を活用し、人物像や日本語力を的確に評価し、人材ニーズに最適なマッチングを実現しています。全国に60か所以上の事業所があり、就業後は弊社スタッフの対面でのサポートも充実しております。

かる・ける外国人採用