就労ビザで日本に滞在している場合、一時帰国する際にはいくつかの手続きが必要になります。
一時帰国の際の注意点や、必要な手続きについて解説します。
目次
一時帰国した場合に就労ビザはどうなる?
就労ビザで日本に滞在している場合、一時帰国する際には再入国許可申請またはみなし再入国許可の手続きが必要です。
どちらの手続きも、住んでいる地域を管轄する地方出入国在留管理官署で、出国前に行う必要があります。
みなし再入国許可とは、在留資格と有効なパスポートを所持している外国人で、日本出国日から1年以内に再入国する場合に再入国許可申請の手続きが不要になるものです。
再入国許可とみなし再入国許可のいずれもない状態で出国した場合は、就労ビザが消滅してしまうため注意が必要です。
一時帰国する場合の手続き方法
就労ビザで国内に在留している外国人が一時帰国する際には、再入国許可か、みなし再入国許可のいずれかの手続きが必要になります。
それぞれの手続き方法について、詳しく見ていきましょう。
再入国許可申請の手続き
再入国許可申請は、以下の流れで行います。
- 申請者を決める
- 一回有効か複数回有効かを選ぶ
- 必要な書類を準備する
- 地方出入国在留管理官署で申請する
それぞれの手順を以下で詳しく解説します。
申請者を決める
再入国許可を申請できるのは、以下の人です。
- 申請人本人
- 地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けている者で申請人から依頼を受けた人
- 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で申請人から依頼を受けた人
- 申請人本人の法定代理人
企業が手続きを代行する場合は、申請取次の資格が必要です。
一回有効か複数回有効かを選ぶ
再入国許可には、帰国1回に限り有効なものと、期限内であれば何回も帰国できる数次有効の2種類から選べます。
数次有効の期限は、現在の在留期間の範囲内で5年(特別永住者は6年)を最長として決められます。
許可された場合には1回有効のもので3,000円、数次有効の場合は6,000円の手数料が必要です。
頻繁に帰国する必要がある場合は、数次有効を選択すると良いでしょう。
必要な書類を準備する
再入国許可申請に必要な書類は、再入国許可申請書、在留カードまたは特別永住者証明書、パスポート(提示できない場合はその理由書)の3つです。
本人ではなく申請取次者が申請する場合は、身分を証する文書などを提示する必要があります。
再入国許可申請書は、出入国在留管理庁のサイトからデータをダウンロードして印刷できます。
地方出入国在留管理官署で申請する
必要書類の準備ができたら、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署にて書類を提出・提示して申請します。
審査を経て許可された場合、許可の種類に合わせて必要な手数料を納付します。
また、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請又は在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限り、オンラインでの申請が可能です。
再入国許可申請のみの場合にはオンライン申請は利用できないので注意しましょう。
みなし再入国許可の場合の手続き
みなし再入国許可を利用する場合は、出国時の再入国出国記録(再入国EDカード)にある「一時的な出国であり、再入国する予定である旨」の欄にチェックを入れ、みなし再入国許可による出国を入国審査官に伝えます。
その際、在留カードと有効なパスポートが必要です。
みなし再入国許可は手続きが簡単である一方で、出国日から1年以内に再入国する必要があるため、長期の一時帰国には適していません。
就労ビザで一時帰国する場合は期間に合わせた手続きを忘れずに
就労ビザで日本に滞在している場合、一時帰国の際には再入国許可申請またはみなし再入国許可の手続きが必要になります。
再入国許可申請は出国前に管轄の入国管理局で行い、一回有効か複数回有効かを選択しましょう。
みなし再入国許可は出国時に手続きを行いますが、1年以内の再入国に限って認められます。
いずれの手続きも忘れると就労ビザが消滅してしまうため、一時帰国の期間に合わせて適切な手続きを行うことが重要です。
一時帰国の際は必要な手続きを事前に確認し、計画的に準備を進めましょう。