
フィリピン人は明るく陽気な性格で知られており、英語力も高いことから日本企業への就職を希望する人が多い傾向です。
しかし、文化や習慣の違いから、フィリピン人を雇用する際には注意すべき点があります。
この記事では、フィリピン人の特徴や性格、文化的背景について詳しく解説します。
また、フィリピン人を雇用する際のポイントや、注意点もまとめました。
フィリピン人の雇用を検討している経営者や人事担当者は、ぜひ参考にしてください。
目次
国風から見るフィリピン人の特徴
フィリピンは東南アジアに位置する島国で、人口は約1億1千万人です。
公用語はフィリピノ語と英語で、国民の多くが両言語を話すことができます。
産業構造は、サービス業がGDPの6割を占めており、鉱工業や農林水産業なども盛んです。
日本とフィリピンの関係は良好で、日本はフィリピンにとって最大の援助供与国となっています。
貿易や投資、経済協力などを背景に、両国の結びつきは強いといえるでしょう。
大きな政治的懸案事項もなく、継続的に安定した関係を築いています。
フィリピン人の性格
フィリピン人は総じて明るく陽気な性格の持ち主が多いと言われています。
フレンドリーで親しみやすく、すぐに打ち解けることができるでしょう。
一方で、時間にルーズな面があることも特徴の一つです。
ここからは、フィリピン人の性格について詳しく見ていきます。
フレンドリーな人が多い
フィリピン人は南国の温暖な気候の影響もあってか、明るく陽気でフレンドリーな人が多い傾向です。
学校ではクラスの中心にいるような、友達づくりが得意なムードメーカーのイメージに近いでしょう。
家族や親戚、コミュニティを大切にする文化が根づいており、見知らぬ人とも自然にコミュニケーションを取ることに慣れています。
多くのフィリピン人が海外で活躍できているのは、英語力に加えて、フレンドリーで周囲にすぐ溶け込める性格も要因の一つと考えられます。
ホスピタリティが高い
フィリピン人は思いやりの心が強く、誰に対しても丁寧に接するホスピタリティ精神を持っています。
知らない人にも明るく笑顔で接する国民性があり、コミュニケーションが重要な業種に適しているでしょう。
この特性を活かして、日本でも介護や接客の分野で多くのフィリピン人が活躍しています。
心のこもったサービスを提供できる点が、高く評価されている理由の一つです。
家族を大切にする
フィリピン人は家族第一主義で、家族を非常に大切にしています。
家族に何かあれば仕事を休むことが普通であり、家族の用事で遅刻や休暇を取ることに対して周囲も寛容です。
家族と過ごす時間を重視しており、仕事で残業をすることはほとんどありません。
結婚は、親戚まで含めた大家族を養う覚悟が求められます。
親戚を含む家族に病気などの問題があれば全力で支え、面倒を見るのが当たり前とされているのです。
低賃金の傾向がある国内を離れ、高い給料を求めて海外で働き、家族に送金する人が多いのもフィリピン人の特徴といえるでしょう。
家族を養うために、懸命に働く姿勢が見られます。
英語が得意
フィリピンでは英語が第二公用語であり、約92%のフィリピン人が英語を話すことができます。
日本に来るフィリピン人も、英語を話せる人が多いでしょう。
英語力だけでなく、高い国際適応力を持つこともフィリピン人の特徴です。
フィリピン人の約90%はマレー系ですが、歴史的な背景からスペイン系や中国系など多くの民族が混在しています。
多文化的な背景を持つため、異文化への理解が深く、順応性が高いのが大きな特徴といえます。
時間にルーズ
フィリピン人は陽気な性格の一方で、楽観的すぎる傾向があり、細かい計画を立てて行動することが苦手な人も多い傾向です。
「フィリピンタイム」という言葉が示すように、時間にルーズな傾向も見られます。
集合時間ぴったりに到着することは、待ち合わせ相手を急かすととらえられるため、時間より遅れてくるのが常識とされている場合があります。
当日の予定をドタキャンすることも珍しくありません。
フィリピン人の楽観的な性格は魅力的ですが、納期のある仕事ではトラブルにつながる可能性があります。
業務で締め切りや納期が近づいた際には、リマインダーやフォローアップを行い、時間を守る重要性を再確認することが必要でしょう。
文化から見るフィリピン人の特徴
フィリピンは国民の9割以上がキリスト教徒で、その多くがカトリックです。
宗教観が強いことが、フィリピン人の文化的な特徴の一つといえるでしょう。
ここからは、フィリピン人の文化的背景について詳しく解説します。
人前で叱ってはいけない
フィリピン人と働く際には、彼らが怒られることを非常に嫌う点を理解しておくべきです。
特に人前で叱ることは避けるべきであり、屈辱と感じて退職につながる場合もあります。
日本人の「愛の鞭」という考え方はフィリピン人には通用しません。
叱る際は個室で、優しくわかりやすく説明することが重要です。
根気よく接すれば、彼らも理解しようと努力してくれるでしょう。
子どもの頭に触れてはいけない
フィリピンでは「子どもの頭には神が宿る」と考えられており、子どもの頭に触れることは大きなタブーとされています。
この考え方はフィリピンだけでなく、タイ、インドネシア、ベトナムなど多くの東南アジア諸国にも見られます。
「子どもの頭に触ると神様が逃げてしまう」「子どもの成長が止まってしまう」と信じている人が多いのです。
子どもがかわいいからといって、むやみに頭を撫でるような行為は避けるべきでしょう。
無意識に行ってしまわないよう、注意が必要です。
社会的な地位やお金に関する話はしない
フィリピンでは収入に関する話題は非常にプライベートなこととされており、他人と共有することはほとんどありません。
経済格差が大きい国であるため、収入や社会的地位に関する話題は、不公平感や差別意識を生む可能性があります。
このような理由から、収入の話題を避けるのがフィリピンでのマナーとされているのです。
金銭的な話題を軽々しく持ち出すことは、良くないでしょう。
フィリピン人が日本で働く理由
フィリピンでは「賃金が安い」「労働環境が良くない」という背景から、母国を離れて就労する人が増加しています。
安定した収入と安心できる労働環境を提供する日本の会社は、フィリピン人にとって非常に魅力的といえるでしょう。
日本で働くフィリピン人は、真面目な姿勢で仕事に取り組む傾向があります。
日本で得た収入を、母国の家族に仕送りしている人が多く見られるのも特徴です。
「家族のために頑張る」という強い覚悟を持って働いているのです。
日本の技術や文化に魅力を感じるフィリピン人も多くいます。
特に、日本のものづくりの精神や勤勉な働き方に憧れを持ち、技術を学びたいと考える人も少なくありません。
日本で働くことで専門的なスキルを身につけ、将来的に母国で活かしたいという思いを持っている人もいます。
フィリピン人を雇用する際に注意すること
フィリピン人を雇用する際には、宗教観の違いや独自の雇用法など、いくつかの注意点があります。
トラブルを避けるためにも、事前によく理解しておく必要があるでしょう。
ここからは、フィリピン人の雇用で気を付けるべきポイントについて解説します。
宗教観を否定しない
宗教上注意すべき点は、キリスト教徒であるフィリピン人に対して教義を否定するような発言をしないことです。
フィリピンではカトリックの教義により、避妊や人工中絶がタブーとされています。
子だくさんの家庭が多いのは、この宗教的背景によるものです。
また、カトリックの教義では離婚も禁止されています。
宗教上の文化の違いに驚くこともあるかもしれませんが、多様な文化を受け入れる姿勢が求められます。
信条を否定するような発言は、口論やトラブルに発展する可能性があるため避けるべきでしょう。
フィリピン独自の雇用法を確認する
フィリピン人を日本で雇用する際は、独自の雇用法があることを理解しておく必要があります。
手続きを間違えると、スムーズに雇用できないでしょう。
ここからは、フィリピン人の雇用に必要な手続きを詳しく見ていきます。
DMWのエージェントと契約
2017年8月の法改正により、フィリピン人を直接雇用することはできなくなりました。
フィリピン人を雇用する際は、移住労働者省「DMW」(旧:海外雇用庁「POEA」)が認めた現地エージェントを通す必要があります。
このルールは、フィリピン特有の事情に基づくものです。
フィリピンでは人口増加に対して十分な仕事がなく、就職難が続いているため、多くの人が海外で働くことを余儀なくされています。
海外で働くフィリピン人労働者が「過剰な労働」を強いられる問題を防ぐために、このような法改正が行われました。
DMWを介さずに雇用手続きをしようとすると、働く前に止められ、就労が不可能になります。
フィリピン人を雇用する場合は、必ずDMWが認めたエージェントを通して手続きを行うことが必要です。
MWOに必要書類を提出
「MWO(Migrant Workers Office)」は、日本で働くフィリピン人とそのご家族を支援するために設けられたフィリピン政府運営の機関です。
以前は「POLO」として知られていましたが、POEA(現:DMW)の再編にともない名称が変更されました。
フィリピンでは多くの人が海外で働くため、自国の労働者が不利益を受けないようにエージェントを通じた雇用手続きが必須です。
現地エージェントとの契約が完了すると、審査に必要な書類が送られてきます。
必要書類には、雇用契約書、会社の登録証明書、労働条件に関する文書が一般的に含まれます。
ただし、必要な書類はエージェントによって異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。
書類の準備ができたら「MWO」に提出します。
面接を受け、承認証書をもらう
書類審査が完了したあと、MWOと会社の経営者との面接が行われます。
面接は英語で行われ、必要であれば通訳を同行させることが可能です。
面接に合格すると、その日のうちに承認証書を受け取ることができるでしょう。
この承認証書があることで、次のステップに進むことが可能になります。
就労ビザの申請
承認証書を受け取ったあと、次のステップとして就労ビザの申請を行います。
就労ビザを申請するには、「在留資格認定証明書」や「在留資格変更許可申請書」などの書類を作成し、提出しなければなりません。
申請が承認されると、フィリピンの日本大使館でビザ取得の手続きが進められます。
この手続きを完了することで、フィリピン人の日本での就労が正式に認められるのです。
一連の手続きには時間がかかるため、余裕を持って進めることが大切です。
フィリピン人への理解を深めて外国人雇用を成功させよう
フィリピン人は明るく、英語力も高い優秀な人材ですが、宗教観や時間の感覚など、日本人との文化的な違いがあります。
彼らの背景を理解し、受け入れる姿勢を持つことが大切です。
適切な手続きを踏まえ、働きやすい環境を整備することが、外国人雇用の成功のカギとなるでしょう。
異文化コミュニケーションの難しさはありますが、お互いを尊重し、柔軟に対応していきましょう。