
ベトナム人と一緒に働く機会が増えている中、ベトナム人の特徴や性格を理解することは、円滑な業務遂行やコミュニケーションを図るうえで重要です。
この記事では、ベトナム人の国民性や文化的背景、日本で働く理由などを解説し、ベトナム人と良好な関係を築くためのポイントを紹介します。
目次
国風から見るベトナム人の特徴
ベトナムは人口約1億人の多民族国家で、キン族が全体の86%を占めています。
言語はベトナム語、宗教は仏教徒が多数を占めており、政体は社会主義が基本ですが、一部資本主義の仕組みも導入されています。
主要産業はサービス業、鉱工業・建築業、農林水産業です。
在日ベトナム人は約60万人とされており、日越関係は「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」の下、政治、経済、安全保障、文化・人的交流など幅広い分野で緊密に連携しています。
ベトナム人の性格
ベトナム人は家族を大切にし、真面目で謙虚な性格の持ち主が多いとされています。
また、残業代が支払われれば、積極的に残業にも取り組む傾向があります。
一方で、地域によって性格の傾向が異なるのも特徴です。
家族を大事にする
ベトナム人は家族を非常に大切に考え、両親の存在を絶対的なものととらえています。
家族第一主義の傾向が強く、家族が病気になった際には帰国してそばにいるのが当然と考える人が多いです。
仕事よりも家族を優先するため、「祖父母の命日に帰国したい」といった相談を受けることもあります。
ベトナム人の国民性を理解し、柔軟に対応することが重要であり、定期的に家族に会うために帰国できる働き方を提供すると喜ばれる可能性が高いでしょう。
真面目で謙虚に頑張る
ベトナム人は真面目で謙虚な性格を持つ人が多く、怠慢な行動や横柄な態度を取る人は少ないとされています。
仕事に真摯に取り組む傾向があり、この真面目さや謙虚さは日本人にも共通する性格で、日本人が多い企業でもなじみやすいといえるでしょう。
ただし、謙虚さゆえに控えめな一面もあり、自分から積極的に意見を述べることが少ない場合があるため、こちらから話しかけたり質問したりすることが効果的です。
残業代が出るなら残業も頑張る
ベトナムにはサービス残業はありません。
残業をお願いすることは可能ですが、日本人かベトナム人かに関わらず残業代を支払う必要があります。
適切な残業代さえ支払われれば、ベトナム人は積極的に残業に対応してくれることが多いのです。
就労可能な在留資格のなかには転職が可能なものもあるため、労働環境に不満を感じると転職されるリスクがあることに注意が必要です。
ベトナム人は地域によっても性格傾向が異なる
ベトナム人の性格は地域によって異なる傾向もあるため、一括りに説明することは難しくなっています。
ベトナムは細長い地形を持ち、北部・中部・南部で文化圏が分かれていることが国民性に影響を与えているのです。
北部の首都ハノイは「亜熱帯性気候」で四季があり、堅実性が強く、消費よりも貯蓄を好む傾向があります。
一方、南部の大都市ホーチミンは「熱帯性気候」で温暖な気候のため、大らかで楽天的、消費志向が強いことが特徴です。
ハノイには歴史的建造物が多く、社会主義の影響が色濃く残る政治・文化の中心地である一方、ホーチミンは高層ビルが立ち並ぶ経済都市で、資本主義の影響が強く、歓楽街やビジネスが発展しています。
両地域は文化や性格だけでなく、言語の発音も大きく異なり、同じベトナム国内でも会話が通じない場合があるほどです。
このように、地域ごとの気候や文化の違いがベトナム人の性格にも反映されています。
文化から見るベトナム人の特徴
ベトナム人の特徴を理解するには、文化的背景を知ることも重要です。
多民族国家であるがゆえに人によって文化が異なる一方で、総じて手先が器用な傾向が強いという特徴もあります。
多民族国家で人によって文化が異なる
ベトナムは54の民族からなる多民族国家であり、そのなかで多数派を占めるのがキン(越)族です。
キン族の多くは仏教徒(大乗仏教)とされていますが、実際には仏教に儒教や道教(中国の民間宗教)が混ざり合っています。
ベトナム人はお寺に参拝することが多いですが、お寺によっては道教系の神様が祀られている場合もあります。
葬儀や法事などの儀式は、儒教に基づく形式で行われるのが一般的です。
次に信者が多い宗教はカトリックであり、16世紀に北部で広まり、フランス統治時代に全国に普及しました。
現在、人口の約1割がカトリック信者とされています。
ベトナム人と交流する際には、相手の宗教について確認し、理解を深めておくと良いでしょう。
手先が器用
ベトナム人は個人差はあるものの、手先が非常に器用な人が多いとされています。
ベトナムの伝統工芸である細やかな刺繍は女性の専門職とされることが多く、特に手先を使った細かい作業での活躍が期待できるでしょう。
ベトナム人の特定技能外国人が手先が器用とされるのには、以下のような背景があります。
ベトナムでは、バイクの修理や整備を自分で行うことが一般的であり、幼少期からおもちゃを作ったり機械をいじったりといった手作業に親しんでいます。
また、粘土細工や刺繍小物などを作った経験を持つ人も多いのです。
ベトナム人の手先の器用さは、特定技能の製造業で特に期待される人材となっています。
さらに、その器用さは製造業だけでなく、建設分野や飲食料品製造分野など多様な業種で能力を発揮できるため、幅広い分野で人気があります。
ベトナム人が日本で働く理由
日本で働くベトナム人が多い理由は、収入が多く治安が良いからです。
ベトナムで働くよりも日本で働いたほうが高収入を得られるため、日本を選ぶベトナム人が多くなっています。
ベトナム国内で「高給」とされる月収を、日本では比較的容易に稼ぐことができるのが魅力の一つです。
また、日本の社会保障制度や企業の福利厚生制度は、ベトナムのものよりも優れています。
犯罪に巻き込まれる可能性が低く、夜でも安心して外を歩ける安全性も、日本での生活の魅力となっています。
これらの理由から、日本はベトナム人にとって働きやすく、住みやすい国とされているのです。
ベトナム人を雇用する際に注意すること
ベトナム人を雇用する際には、文化の違いを理解し、働きやすい環境を整えることが重要です。
靴下をはかない文化があることや、コミュニケーションを大事にするため私語が多いこと、安全や衛生に関する意識が低いことなどに注意が必要です。
靴下をはかない文化がある
ベトナムでは、「靴下をはく」という習慣が、あまり根づいていないと言われています。
食品系の工場では靴下を履かずに作業することがNGとされる場合が多く、その際には注意が必要です。
ただし、ベトナム人は理解力が高いため、理由を丁寧に説明すればすぐに改善を期待できるでしょう。
必要な場面では、具体的に指導し、丁寧に伝えることが大切です。
コミュニケーションを大事にするので私語が多い
ベトナム人は職場で私語が多く、特に製造現場では母国語で会話することがよくあります。
仕事だけのドライな関係よりも、濃密な人間関係を望む傾向があるのです。
人懐っこい性格で、大人数で行動することを好むため、職場でもにぎやかな環境を好みます。
ベトナム人の寮では、一人で部屋にいるよりも、大勢で集まって話したり遊んだりすることが多い傾向です。
別々に住んでいる場合でも、週末には友人の家に集まることが一般的です。
長時間単独での作業を担当させると寂しさを感じ、離職の可能性が高くなる場合があります。
家族のように賑やかな環境を整えることで、ベトナム人が働きやすくなるといえるでしょう。
安全や衛生に関する意識が低い
ベトナム人労働者は、日本人労働者と比べて安全や衛生への意識が低い傾向があります。
特に整理整頓や身だしなみについて、日本の「5S」の考え方が根づいていないことが多いのです。
5Sとは、整理(いらないものを捨てる)、整頓(使うものを順序よく並べて保管する)、清掃(職場を清掃し、きれいな状態を保つ)、清潔(身だしなみを整え、衛生状態を維持する)、しつけ(4Sを習慣化する)を指します。
ベトナム人労働者が多く働く工場や建設現場では、安全への意識不足が労働災害につながる恐れがあります。
ベトナム人が安心して働けるよう、定期的に労働安全衛生教育を実施し、安全意識を高める取り組みが重要です。
働きやすい教育環境を整える
教育環境を整えることで、外国人労働者のスキルを高めることができます。
業務マニュアルを渡すだけでは、そのとおりに実行しない可能性があります。
日本と外国では仕事への考え方や文化が異なるため、スムーズに業務をこなせない場合があるのです。
母国と仕事の方法が異なることを理解できるよう、丁寧な指導が必要です。
教育担当者が積極的にコミュニケーションを取ることが重要で、上司が定期的に面談を行い、状況を把握・フォローすることが求められます。
教育担当者の負担軽減のために、上司による支援は必須です。
異なる国籍の労働者同士が協力し合えるよう、きめ細やかなサポートを行うことが大切です。
雇用条件を確認する
給与や就業時間、残業時間などの労働条件は、雇用前に伝え、承諾を得ることが必要です。
日本語レベルが低い場合、労働条件を正しく理解するのが難しい可能性があります。
時間をかけて労働条件を理解しているか入念に確認することが大切です。
外国人労働者の母国語で作成した「労働条件通知書」を用意するのが望ましいでしょう。
労働条件を確認する際に、社会保険加入の有無についても説明が必要です。
外国人労働者が「常用雇用」に該当する場合、社会保険に加入しなければなりません。
非常勤でも常勤の4分の3以上働く場合は、社会保険へ加入しなければなりません。
社会保険加入が必要なのに加入させないと、雇用主が罰則を受ける可能性があります。
ベトナム人の特徴や文化を理解して雇用しよう
ベトナム人を雇用する際は、彼らの特徴や文化的背景を理解することが重要です。
家族を大切にし、真面目で謙虚な性格の持ち主が多いとされるベトナム人ですが、地域によって性格の傾向が異なります。
多民族国家ゆえに人によって文化が異なる一方で、手先が器用な人が多いという特徴もあります。
日本で働く理由は高収入と治安の良さですが、雇用の際は文化の違いに注意することが必要です。
ベトナム人が働きやすい環境を整え、適切な対応を行うことで、彼らの能力を最大限に発揮してもらえるでしょう。