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特定技能試験とは?対象職種や内容をわかりやすく解説

特定技能は、労働力が不足していると認められた業界で、即戦力となる外国人を受け入れるため2019年4月に新設された在留資格です。
すべての業種で特定技能人材の受け入れが認められるわけではなく、2024年現在では12分野14業種のみが対象となっています。
外国人労働者が特定技能を取得するためには、試験に合格しなければなりません。

この記事では、特定技能試験の要件や受験資格、特定技能1号・2号の試験の違いを解説します。
即戦力人材として外国人労働者の採用を検討中の企業でも、試験に関する概要を理解しておくと良いでしょう。

特定技能について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

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特定技能1号試験の取得要件

特定技能1号試験の取得要件

外国人が特定技能1号の在留資格を取得するには、日本語試験と技能試験の2種類の試験に合格する必要があります。
ただし、技能実習2号を良好に修了した方は試験が免除され、これらの試験を受けずに1号特定技能外国人になることが可能です。

技能実習1号と2号の試験の違いについては後述します。

日本語試験

特定技能1号の在留資格を取得するには、日本語能力試験(JLPT)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のどちらかを受験しなくてはなりません。
介護分野のみ、介護日本語評価試験の受験も求められます。

日本語能力試験(JLPT)

日本語能力試験には、5段階(N1、N2、N3、N4、N5)のレベルがあり、特定技能1号ではN4以上のレベルが求められます。
段階の数字が小さいほど難易度が高く、N4は基本的な日本語を理解できる程度のレベルです。

試験内容は、以下の3セクションからなっています。

  • 言語知識(文字・語彙)
  • 言語知識(文法)
  • 読解、聴解

例えば読解力では、基本的な漢字や日本語表現で書かれた文章を読み、内容を理解できるレベルが求められるでしょう。
聴解力では、ややゆっくりと話される日常会話であれば、おおむね理解できるレベルです。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)では、日常生活に必要な日本語能力を測定します。
以下4セクションから約50問が出題され、試験時間は60分です。

  • 文字と語彙
  • 会話と表現
  • 聴解
  • 読解

日本語使用能力をA1からC2までの5段階で評価し、特定技能1号では基礎段階のA2レベル以上が求められます。
A2レベルは、仕事や日常生活などでよく使われる基本的な日本語を理解できるとともに、自分でも身の回りの状況を簡単に表現できる程度の能力です。

介護日本語評価試験

介護分野で特定技能1号の在留資格を取得したい場合は、介護日本語評価試験にも合格する必要があります。
試験内容は以下の3セクションです。

  • 介護のことば(5問)
  • 介護の会話・声かけ(5問)
  • 介護の文書(5問)

問題数は計15問、試験時間は30分が設けられています。

技能試験

特定技能1号対象の12分野14業種では、業務を遂行するにあたって必要な知識と経験の技能を測るための試験がそれぞれ実施されています。
対象は以下の12分野です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

技能試験の実施方法は実技試験に限らず、コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式、またはペーパーテスト方式なども採用されています。
分野ごとの試験要項は出入国在留管理庁の公式ホームページに掲載されているため、あらかじめ確認しておきましょう。

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特定技能試験の受験資格

特定技能試験を日本国内で受けるか、国外で受けるかによって受験資格が異なります。
国内試験の受験資格は令和2年に緩和されており、多くの外国人労働者にとってチャレンジしやすくなりました。

国内で受験

国内で特定技能試験を受験するには、17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)であることが条件です。
なお、令和2年4月1日以降、国内試験の受験資格は緩和されています。

以前まで、日本国内で受験する場合は中長期在留者、または過去に中長期在留者として在留していた経験がある方などに限定されていました。
しかし、現在は在留資格がある外国人なら一律に受験が認められています。
つまり中長期在留者としての在留経験がない方でも、特定技能試験を目的として「短期滞在」の在留資格で入国し、受験できるようになったということです。

ただし、試験に合格したからといって、必ずしも特定技能の在留資格の付与が保証されているわけではありません。
場合によっては、在留資格認定証明書の交付や在留資格変更の許可を受けられないケースもある点に注意が必要です。

海外で受験

特定技能試験は、インドネシアやフィリピンなどの海外でも実施されています。
分野によって実施国が異なるため、採用したい外国人労働者が海外での受験を希望する場合、詳細を確認しておきましょう。

例えば、介護分野の試験はフィリピンやカンボジアをはじめとして、ミャンマー、モンゴル、ネパールなど10ヵ国以上で受験できます。
ビルクリーニング分野の特定技能試験を受けられるのは、海外だとフィリピン・カンボジア・インドネシア・ミャンマー・タイの5ヵ国です。

外国人労働者自身の母国で試験が実施されていない場合は、上述のとおり短期在留ビザを取得後、入国したうえで受験してもらいましょう。

特定技能1号と2号の試験の違いは?

特定技能2号とは、特定の産業分野において、熟練した技能が必要な業務に従事する外国人に向けた在留資格です。
当初は建設と造船・舶用工業のみだったものの、令和5年から対象分野が拡大され、介護分野を除いた11分野が対象となりました。
特定技能2号は日本語能力試験の受験が必要ありませんが、特定技能2号評価試験への合格とともに受験要件として実務経験が求められます。

特定技能1号の在留期間は通算5年が上限であるのに対し、2号は上限が設けられていないため、外国人労働者を長く雇用したい企業は特定技能2号の採用を視野に入れてみましょう。

特定技能試験:まとめ

特定技能1号試験では、日本語試験と技能試験の2つに合格する必要があります。
日本語試験として日本語能力試験(JLPT)や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)が実施されるほか、介護分野では介護日本語評価試験にも合格しなければなりません。
技能試験は12分野それぞれで実施されており、CBT方式やペーパーテスト方式、実技試験などが採用されています。

受験資格は国内外で異なりますが、国内では17歳以上、インドネシア国籍の方なら18歳以上で、在留資格がある方なら一律で受験が認められるようになりました。
特定技能2号はより熟練したスキルが必要な業務に従事する外国人向けの在留資格で、日本語試験はないものの実務経験が求められます。
特定技能2号は在留期間の上限がないため、外国人労働者の長期雇用を検討する企業にとっても有効な選択肢といえるでしょう。

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