
就労ビザの取得を考えている外国人にとって、審査期間は大きな関心事です。
しかし、就労ビザの審査期間は一律ではなく、申請者の状況や提出書類の内容などによって異なります。
本記事では、就労ビザの審査期間の目安と、それに影響を与える条件について詳しく解説します。
目次
就労ビザ取得までの審査期間は?
法律では就労ビザの審査は、3ヵ月以内に終了するように義務付けられています。
一般的に就労ビザの審査期間は、1ヵ月から2ヵ月程度とされていますが、申請内容や申請者の状況、提出書類の内容などによって前後することも珍しくありません。
また、入国管理局の混み具合によっても審査期間が異なり、繁忙期では審査期間が長くなりがちです。
後述しますが、新規申請か変更申請かなど、内容によっても審査期間が大きく異なります。
想定される審査期間よりも、長くなるケースを想定して、早めに申請したり書類漏れをしないようにしたりすることが大切です。
就労ビザは条件によって審査期間が異なる
就労ビザの審査期間は、申請の内容や時期、ビザの種類などさまざまな条件によって異なります。
以下では、それぞれの条件による審査期間の違いについて詳しく見ていきましょう。
更新内容による違い
更新内容が「認定」、「変更」、「更新」のいずれかによって、審査にかかる期間が異なります。
新規の認定が最も時間がかかり、ついで変更、更新の順に審査期間が長くなる傾向です。
在留管理局が公表している在留審査処理期間を参考にすると、平均的な審査期間は以下のとおりです。
- 更新申請:2週間から1ヵ月
- 変更申請:1ヵ月から2ヵ月
- 認定申請:2ヵ月から3ヵ月
変更は「在留資格変更許可申請」、更新は「在留期間更新許可申請」を行います。
どちらも、日本で生活して、すでにビザを持っている外国人による申請なので、審査期間が短くなりやすいのです。
特に更新手続きは、有効期限を延長させるだけと比較的簡単な審査で済むため、審査期間が短くなります。
また、日本にいる外国人がビザの更新や変更をする場合、可能な限り有効期限が切れるまでに審査結果を出す必要があるため、認定よりも優先されやすいのです。
新規認定には、「在留資格認定証明書交付申請」が必要です。
申請者の経歴や、受入れ先になる会社の状況を審査する必要があるため、審査期間が長くなりやすくなっています。
具体的な審査期間の例について、在留管理局が公表している在留審査処理期間を参考にして、以下の表にまとめました。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の審査期間 | |
審査の種類 | 審査期間 |
認定 | 50.2日 |
変更 | 31.3日 |
更新 | 26.8日 |
申請時期による違い
入国管理局は年間を通じて就労ビザの審査を行っていますが、繁忙期に申請をすると、想定以上に申請期間を要してしまう可能性があります。
特に2月から5月にかけては、就労ビザの申請が多くなる時期なので、審査にも時間がかかります。
繁忙期に申請をする場合は、審査が予定の期間より遅れる可能性を想定して、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
就労ビザの種類による違い
取得する就労ビザの種類によっても、審査期間の違いがあります。
例えば、同じ就労ビザの新規認定に必要な「在留資格認定証明書交付申請」に関しても、ビザの種類によって以下のような違いがあります。
職種 | 審査期間(新規認定の場合) |
医療 | 44.3日 |
技術・人文知識・国際業務 | 50.2日 |
介護 | 64.9日 |
教育 | 39.9日 |
特定技能1号 | 70.7日 |
このように、就労ビザを取得するまでの期間は、ビザの種類はもちろん、更新内容や申請時期など総合的な条件を考慮することが大切です。
どちらにせよ、余裕を持った準備が必要不可欠といえるでしょう。
条件による審査期間の違いをふまえた就労ビザ申請が大切
就労ビザの審査期間は、申請内容や時期、職種などさまざまな条件によって大きく異なることがわかりました。
新規の認定は時間がかかりやすく、繁忙期の申請は想定以上に遅れる可能性もあります。
ビザの種類によっても審査期間に違いがあるため、自分の希望するビザの取得がどの程度の期間を要するのかを把握しておきましょう。
就労ビザ申請の際は、これらの条件による審査期間の違いをふまえ、余裕を持ったスケジュールを立てることが肝心です。
計画的に準備を進め、必要書類の不備などがないよう注意しながら申請を進めていきましょう。