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外国人雇用におけるハローワークの活用方法と手順、注意点

外国人材の採用方法には、自社サイトや一般的な求人サイト、チラシなどを活用して募集を行うほか、ハローワークを通して求人を出す選択肢もあります。
ハローワークは全国の本所・出張所・分室の設置をはじめとして、さまざまな形で外国人雇用をしたい事業所と日本で働きたい外国人労働者を支援している行政機関です。
ただし、ハローワークを活用して外国人労働者を受け入れることには、採用コストの面などでメリットがあると同時に、デメリットがあることも念頭に置いておく必要があります。

本記事では、ハローワークで外国人雇用を行うメリット・デメリットや必要な手続きを解説します。
人材獲得にお悩みで外国人雇用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

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外国人雇用におけるハローワークという選択肢

外国人労働者の受け入れを考える場合、一般的な求人サイトや自社サイト、SNSを活用した募集のほかに、ハローワークを活用するのも一つの選択肢です。
日本人の求職者同様、日本での就労が認められた外国人労働者の方も全国にあるハローワークを利用でき、職員による求人紹介を受けられます。

企業向けの支援も行っており、職業生活面の問題や就労環境の整備、採用人材の在留資格に関する手続きなど、さまざまな相談を受け付けています。
思わぬ形で労働関係の法令に違反してしまわないよう、採用・雇用管理についてアドバイスをもらうことも可能です。

また、全国544ヵ所にあるハローワークのなかには、外国人の方と事業者の方の両方に向けて、次のような就職支援コーナーを設けている施設も存在します。

  • 外国人雇用サービスセンター:高度外国人材向け
  • 留学生コーナー:留学生向け
  • 外国人雇用サービスコーナー:定住外国人向け

こうした外国人雇用に特化した施設では、例年1万件以上の外国人材就職件数を達成しています。

外国人採用でのハローワークのメリット

外国人採用でのハローワークのメリット

ハローワークを利用した外国人雇用には、以下のようなメリットがあります。

  • コストを抑えられる
  • 外国人留学生のインターンシップ募集が可能
  • 助成金を受けられる場合がある

順に詳しく見てみましょう。

コストを抑えられる

ハローワークは厚生労働省の運営する公的機関であり、事業者側が人材募集のための求人を申し込むのに費用はかかりません。
事業者も求職者もコストをかけずに利用でき、双方に有益なサービスといえるでしょう。

一般的な求人サイトでは、求人掲載費用や入社後の成功報酬などが必要となる場合もあり、採用コストがふくらむ可能性があります。
一方、これらの費用はハローワークでは一切不要です。

また、外国人労働者の在留資格に応じて職業案内を行っていることから、不法就労による事業者側の罰則などのリスクも抑えられるでしょう。
コストをかけず、かつ安心して外国人雇用を進められるのが、ハローワークの強みの一つです。

外国人留学生のインターンシップ募集が可能

ハローワークの附属施設である外国人雇用サービスセンターでは、外国人留学生のインターンシップを募集できます。
インターンシップは毎年春と秋に開催されており、事業者側は外国人留学生を原則5日間受け入れ、実際の能力を見たうえで正式な採用を判断可能です。
国際感覚を持っている優秀な人材と出会う可能性もあり、社内の活性化や国際化を促進するきっかけとなるでしょう。

あくまでも外国人留学生の職業体験という名目であり、アルバイトなど報酬が発生する形で雇用するわけではありません。
海外においては、インターンシップを経た採用方法が主流となっているところもあり、外国人留学生からすれば馴染みやすいのも利点といえます。

助成金を受けられる場合がある

ハローワークを運営する厚生労働省は、外国人労働者の雇用に関する助成金を用意しています。
数ある助成金制度のなかでも、外国人の採用に特化しているものの一つが「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」です。

この助成金では、外国人労働者の受け入れにあたって就労環境を整備する事業者に対し、その経費の一部を助成します。
就労環境整備の内容として、社内マニュアルや就業規則の多言語化、外国人労働者に向けた相談窓口の設置、翻訳機器の導入などが例に挙げられるでしょう。

また、受給のためには以下を満たすことが主な条件です。

  • 外国人労働者に対する就労環境整備措置を新たに導入および実施すること
  • 就労環境整備計画期間終了後の一定期間後、外国人労働者の離職率が10%以下であること

助成金の申請や受給対象となるか確認したい方は、ハローワークもしくは地域の労働局に問い合わせてみてください。
また、以下の記事でも助成金について詳しく解説しています。

外国人雇用でのハローワークのデメリット

ハローワークを利用した外国人雇用には、次のようなデメリットもあります。

  • 募集地域が限られる
  • 登録に手間がかかる
  • ミスマッチが起こりやすい

採用コストを抑えられる反面、一般的な求人サイトより登録の手間があったり、希望のスキルを持った人材が見つかるまでに時間がかかったりする点に注意が必要です。

募集地域が限られる

地域に特化した求人掲載を無料で行えるのがハローワークの強みですが、言い換えれば雇用はその地域に限定されることになります。
ハローワークは、地域の就労を支援する目的で設置されていることが理由です。
そのため、特に人口の少ない地域では、外国人労働者の母数自体が十分でなく、なかなか人材が見つからない可能性もあるでしょう。

また、外国人留学生が多く暮らす地域であっても、卒業・修了後には雇用のチャンスを求めて近隣の都市部に出ていってしまうかもしれません。

求人募集をした地域のハローワーク以外で仕事探しをしている外国人労働者には、アプローチができないことを覚えておく必要があります。

登録に手間がかかる

ハローワークで求人を出す場合、登録には多少手間がかかります。
特に、はじめてハローワークから求人を出すときには、事業所の詳細情報を記載する「事業所登録シート」を作成し、提出しなければなりません。
福利厚生や社会保険、アピールポイントなどを登録したのち、さらに求人情報を細かく入力し、ハローワークから承認を受けられればようやく求人が公開されます。

ただし、事業所登録シートの作成は初回のみ必要となり、以降はスキップが可能です。
また、ハローワークインターネットサービスを利用してパソコンから事前の仮登録もできるため、計画的に手続きを進めるようにしましょう。

ミスマッチが起こりやすい

ハローワーク経由で採用を募集する場合は、ミスマッチが起きる可能性も心に留めておく必要があります。
ハローワークの求人票では、明記すべき項目に関して規定が設けられており、記載できる文字数にも限界があるためです。
結果として、企業の特徴や雰囲気、アピールポイントをうまく伝えきれずに、求職者と企業とのあいだで認識の齟齬が生まれることもあるかもしれません。

ただし、求人票をできる限り詳細に記入したり、事前にハローワークへ職員に求職者の情報をヒアリングしたりなどの工夫で、ミスマッチは回避しやすくなるでしょう。

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ハローワークから外国人を雇用する際の採用経路

ハローワークには本所・出張所・分室のほかにも、特定の対象者に対して専門的に支援などを行う附属施設があります。
外国人労働者を雇用したい場合、以下の3施設の利用が可能です。

  • 外国人雇用サービスセンター
  • 留学生コーナー
  • 外国人雇用サービスコーナー

ハローワークから外国人を雇用する際の採用経路

出典:公共職業安定所(ハローワーク)の 主な取組と実績

それぞれの特徴を詳しく解説します。

外国人雇用サービスセンター

外国人雇用サービスセンターでは、高度外国人材(高度なスキルを持った就労目的の外国人など)に対する就職支援が行われています。
東京・愛知(名古屋)・大阪・福岡の4ヵ所に配置されており、求職者が対面で相談できる窓口が用意されているほか、インターネットからの相談・求人情報閲覧も可能です。

また、高度外国人材の就業を推進するための中核的施設として、事業者に向けた雇用管理の指導・支援も実施しています。
ハローワークの全国ネットワークを活用した専門的な就職支援を特徴としており、外国人採用に取り組みたい事業主や採用担当者にとって頼れる相談先となるでしょう。

留学生コーナー

留学生コーナーは、日本で就職を希望する外国人留学生を支援するための附属施設です。
全国54ヵ所(北海道・東京・大阪・福岡など)に展開があり、一部の新卒応援ハローワークに設置されています。
外国人雇用サービスセンターと連携し、専門の相談員による個別相談やガイダンス、インターンシップ、面接会といったきめ細やかな就職支援を実施しているのが特徴です。

外国人留学生と企業のマッチングをめざすとともに、卒業後の正式採用に向けたサポートが行われるため、外国人材を雇用するのがはじめての企業にも適しています。

外国人雇用サービスコーナー

外国人雇用サービスコーナーは、在留資格のある外国人を中心に、外国人労働者全般をサポートするためのハローワーク附属施設です。
全国135ヵ所に配置された通訳員のいるハローワークを拠点に、対象者の就職支援を行っています。
外国人雇用サービスコーナーなどを利用した外国人求職者の就職件数は、令和元年~4年度のあいだで約4.7件あり、実績も豊富です。

また、外国人材を受け入れたい事業者に対応するべく、専門的な知識や経験を有する外国人雇用管理アドバイザーも在籍しています。
外国人労働者の職業生活上の問題や雇用管理の改善についてアドバイザーが助言を行ってくれるため、採用にあたって不安があるときには活用しましょう。

ハローワークを用いた外国人雇用の届出・手続き

ハローワークを用いた外国人雇用の届出・手続き

ハローワークを利用して外国人雇用を行うには、以下4つの手順を踏む必要があります。

  1. 管轄のハローワークへ行く
  2. 事業所登録を行う
  3. 求人申込書を提出する
  4. 求人票を受け取る

すでに事業所登録が済んでいる場合、手順2は省略して求人申込書の提出へ進みましょう。

1.管轄のハローワークへ行く

ハローワークで求人を掲載するには、事業所の管轄ハローワークで手続きを行う必要があります。
ハローワークは令和5年4月時点で全国544ヵ所にあり、所在案内は厚生労働省のホームページから確認が可能です。

一部施設を除き利用できるのは平日のみで、一般的には8:30~17:15に開庁しています。
ただし、これよりも早く開庁・閉庁する施設も存在するほか、タイミングによっては混雑が予想されるため、余裕を持った時間に到着するようにしましょう。

2.事業所登録を行う

管轄のハローワークに到着したら、事業所登録を行います。
事業所登録には、本社の所在地や法人名をはじめとした企業基本情報、最寄り駅などの事業所就業場所情報、企業の特徴・事業内容といった事業所詳細情報が必要です。
事業所PR情報の記入も求められるため、外国人労働者に魅力的に感じてもらえるような研修制度、福利厚生などをアピールすると良いでしょう。
事業者登録シートとあわせて、事業所地図登録シートの提出も必要です。

なお、事業所登録を行うには次の2つの方法があります。

  • ハローワークで端末に直接入力する、もしくは用紙に記入する
  • 事前に職場の端末などからハローワークインターネットサービスにアクセス後、求人者のマイページを開設する

用紙や端末を利用する場合、記入する項目が多いため、必要な情報をあらかじめまとめておくことをおすすめします。
ハローワークインターネットサービスを利用した仮登録は、事業所のパソコンなどから済ませることが可能です。
ただし、この時点では仮登録であり、ハローワークインターネットサービスでの情報入力後14日以内に、ハローワークへ直接出向くことを忘れないようにしましょう。

3.求人申込書を提出する

事業所登録後は、求人申込書を提出してください。
こちらもハローワークで直接手続きする方法と、事業所のパソコンなどから求人者マイページを開いて入力する方法があります。
事業者情報も求人情報も、本登録されるにはハローワークで内容を受理されなくてはならないため、正確に記入することが大切です。

求人情報は、職種別・就業場所別・雇用形態別に作成する必要があり、必要項目には次のようなものが挙げられます。

  • 求人区分
  • 事業所情報
  • 仕事内容
  • 賃金
  • 手当
  • 労働時間
  • 保険
  • 年金
  • 定年に関する情報
  • 企業のPR情報
  • 選考方法

法令違反や採用後のミスマッチが起こらないよう、できる限り明瞭な表現で労働条件を記入しましょう。

4.求人票を受け取る

求人申込書が無事に受理されたら、ハローワークの窓口にて求人票と事業所確認票(事業所登録を行った場合)を受け取ります。
求人情報の期限は申込日の翌々月末までです。

例えば、3月中に申し込みを行った求人については、5月末までハローワークから人材の紹介を受けられます。
求人票に有効期限が記載されているため、確認するようにしましょう。

この期限内は、窓口に来た求職者に対して直接求人を案内してもらえるほか、下記の媒体を通して事業所の情報が公開されるようになります。

  • ハローワーク内に設置されているパソコン、庁舎内の掲示板
  • ハローワークインターネットサービス
  • ハローワークが作成する求人情報雑誌 など

これらを見た求職者から直接応募があった場合、ハローワークインターネットサービスの求人者マイページに通知が届きます。
応募者に対し選考を行ったら、求人者マイページもしくはハローワークの窓口で合否の結果を忘れず申請しましょう。

外国人雇用をする際にはハローワークを利活用しよう

外国人雇用を行うとき、ハローワークを利用することで採用活動のコストが抑えられるだけでなく、条件を満たせば助成金を受給できるというメリットがあります。
一方で、募集地域が限られてしまったり、ミスマッチが起こりやすくなったりなど、希望条件に合う人材を獲得するまでに時間がかかりかねない点には注意が必要です。

外国人留学生のインターンを受け入れたいときには、ハローワークの附属施設である外国人雇用サービスセンターや留学生コーナーなども活用できます。
また、外国人雇用管理アドバイザーが在籍する施設であれば、外国人材の雇用上の疑問や職業訓練の方法について助言を受けることも可能です。

これらのサービスは無料で利用できるため、外国人労働者を採用したいものの進め方がわからないという方は、ハローワークをうまく活用してみてはいかがでしょうか。

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情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国71,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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