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就労ビザの外国人労働者の税金はどのような扱いになる?パターン別に紹介

就労ビザを取得して働く外国人労働者も、日本人労働者と同様に、日本の税金制度と無関係ではありません。
外国人労働者を受け入れる企業にとっても、源泉徴収をはじめとした税金の扱い方は、正確な税務処理を行ううえで欠かせない知識です。

ただし、外国人に適用される税金の内容は、居住者・非居住者の区分や在留資格、働き方などによって異なります。
雇用する人材の状況に応じた税金の扱い方を理解しておき、トラブルを未然に防ぎましょう。

本記事では、就労ビザをはじめとした在留資格を持つ外国人労働者のパターン別に、税金の扱い方を解説します。

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【パターン別】就労ビザ外国人の税金の取り扱い

【パターン別】就労ビザ外国人の税金の取り扱い

就労ビザをはじめとした在留資格を取得して働く外国人の税金は、日本の居住者か非居住者かによって、扱い方が大きく異なります。
居住者と非居住者の区分を判断する主な基準は、「日本国内に住所を持った、あるいは居住した期間が1年以上あるかどうか」です。
日本に在留する外国人にはさまざまな働き方が考えられますが、ここでは以下5つのパターンに着目します。

  • 所属している海外企業から派遣された外国人の場合
  • 日本企業と契約して来日した外国人の場合
  • 自由職業者として来日した外国人の場合
  • 研修ビザで来日した外国人の場合
  • 留学ビザで来日した外国人の場合

各パターンの税金の取り扱い方を順に見てみましょう。

所属している海外企業から派遣された外国人の場合

海外企業に所属したうえで日本に派遣される外国人の場合、1年以上の勤務期間が見込まれる方は居住者、1年未満と事前に決まっている方は非居住者となります。
それぞれの税金の取り扱い方は、下表のとおりです。

勤務期間 区分 税金に関わる対応
勤務期間が1年以上 居住者 「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき源泉徴収が必要
勤務期間が1年未満 非居住者 給与支払い時に20.42%の源泉徴収が必要

非居住者の場合、日本人労働者とは異なる対応が必要になるため、派遣元の海外企業などと連絡を取り合い、正しい区分を把握しましょう。

日本企業と契約して来日した外国人の場合

日本企業と直接契約を結び、海外から来日した外国人も、基本的には勤務期間が1年以上となるか否かで税金の扱い方が変わります。
海外企業からの派遣と同じく、次のように分類可能です。

勤務期間 区分 税金に関わる対応
勤務期間が1年以上 居住者 「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき源泉徴収が必要
勤務期間が1年未満 非居住者 給与支払い時に20.42%の源泉徴収が必要

ただし、日本と相手国のあいだで結ばれた租税条約により、短期滞在者免税が適用される場合、所得税が非課税となります。
例えば、日米租税条約においては、以下3つの条件を満たす場合に短期滞在者免税の適用対象です。

  • 日本での滞在日数が183日を超えないこと
  • 日本国外の雇用主やその代わりとなる存在から報酬が支払われること
  • 日本国内にある雇用主の事業所などから支払われる報酬ではないこと

租税条約の内容は国によって違いがあるほか、適用するためには税務署に対する届出が必要となることを覚えておきましょう。

自由職業者として来日した外国人の場合

自由職業者として来日し、報酬を得る活動を行う外国人の場合、相手国の租税条約に特別な規定がなければ、その報酬は源泉徴収の対象です。
フリーランス・個人事業主で学術や芸術、教育分野などの活動を行っている外国人を海外から招き、仕事の対価を支払うケースが主に該当します。
通常は非居住者の区分となり、20.42%の源泉徴収が必要です。

注意点として、外国人が自国と日本の両方で報酬の支払いを受けている場合、二重課税の問題を招きかねません。
そうした状況では、「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」の提出により、免税措置を受けることが可能です。
還付請求書の提出時期に決まりはなく、提出後に外国人の源泉徴収された所得税や復興特別所得税の還付を受けられます。
ただし、納付から5年が経過すると、還付の請求権を失ってしまう点に留意しましょう。

研修ビザで来日した外国人の場合

研修ビザで来日した外国人の場合、雇用契約を結ばないため、報酬を支払うことは法律で禁止されています。
そのため、源泉徴収も必要ありません。

研修生には、仕事に対する報酬ではなく研修手当が支給されます。
研修手当は、研修生の生活費や教育を受けるための実費に該当し、非課税です。
ただし、事前に定められた支給金額を超えた手当や実質的な労働対価と見なされる場合、課税対象となる可能性があります。
研修生を受け入れる企業は、適切な手当の支給を徹底しましょう。

留学ビザで来日した外国人の場合

留学ビザで来日した外国人が、資格外活動許可を得てアルバイトなどをする場合、日本国内での居住期間によって税金の扱いが変わります。

居住期間 区分 税金
1年以上 居住者 日本人アルバイトと同様に計算する
1年未満 非居住者 給与から20.42%を源泉徴収する

アルバイトとして留学生を雇用する際は、日本で暮らし始めてから1年以上が経っているか否かを本人に確認しましょう。

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就労ビザ外国人の税金に関するポイント

就労ビザなどの在留資格を持つ外国人を雇用する際、企業側は税金に関する以下2つのポイントを念頭に置いておく必要があります。

  • 日本の税金制度に関してしっかり説明する
  • 税金が免除となる特例がある

いずれも税務処理を適切に行い、思わぬトラブルを回避するために重要なポイントです。
順に詳しく見てみましょう。

日本の税金制度に関してしっかり説明する

外国人労働者は日本の税金制度に馴染みがなく、知識が十分でない可能性もあります。
収入に影響を与える居住者・非居住者の区分をはじめ、外国人に適用される日本の税金制度について、企業からきちんと説明しておきましょう。

例えば、居住者に適用される日本の所得税は、課税所得に応じて5~45%のあいだで変動します。
住民税は、前年の所得で計算し翌年度に課税される仕組みです。
来日したばかりの外国人であれば、消費税の標準税率が10%であることの説明も必要になります。

こうした税金がいつ発生するのか、どのように徴収されるのかを知ってもらい、外国人の理解と納得を得ておくことで、安心して就労できる環境を整えられるでしょう。

税金が免除となる特例がある

外国人を受け入れた企業が支払う費用のなかには、条件を満たすことで税金が軽減・免除される特例が存在します。
例えば、1年以上の勤務期間が経過するごとに、帰国休暇を外国人に認めているケースで、帰国費用を企業が負担する場合に、その費用は課税されません。

特例を適切に活用すれば、外国人のための福利厚生を整えるうえで発生する企業の負担を抑えやすくなります。

外国人労働者の税金は就労ビザごとに適切な対応をしよう

就労ビザなどの在留資格を持った外国人を受け入れる企業は、個々の状況から正しい税金の扱い方を把握する必要があります。
居住者・非居住者の区分や雇用形態、租税条約の適用など、考慮すべき要素は多岐にわたり、慎重な判断が求められるでしょう。

本記事では、海外からの派遣や採用後の来日、自由職業者、研修生、留学生を例に挙げ、パターンごとの税金の扱い方を解説しました。
雇用した外国人に適用される租税条約の内容によっては、短期滞在者免税の対象となり、所得税が非課税になります。

企業側がこうした税金の扱いを理解するだけでなく、雇用する外国人に対して日本の税金制度を説明し、不安や疑問を解消しておくことも大切です。
トラブルを未然に防ぐためにも、企業と外国人の双方が税金への理解を深め、適切な財務管理を徹底しましょう。

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