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外国人技能実習生の失踪を防ぐには?失踪の理由や対策について解説

外国人技能実習生の失踪問題が深刻化しています。
受け入れ企業にとって、技能実習生の失踪は大きな損失であり、対応に苦慮するケースも少なくありません。

本記事では、外国人技能実習生の失踪の現状や理由、企業が取るべき対応策について詳しく解説します。
また、失踪を防ぐための具体的な方法も紹介しており、技能実習生を受け入れている、または受け入れを検討している企業の担当者にとって参考になるでしょう。

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外国人技能実習生の失踪者数

外国人技能実習生の失踪問題は、年々深刻化しています。
ここでは、失踪者数の推移や特に失踪者が多い業界をデータから見ていきましょう。
また、この問題に対する国の取り組みについても触れていきます。

年々増加傾向にある

外国人技能実習生の失踪者数は増加の一途をたどっています。
令和5年には9,753名の失踪者が確認されており、前年の9,006名と比較して増加しています。
特に建設業では4,593名と、失踪者数が顕著です。
この数字は、業界全体で対策を講じる必要性を強く示唆しています。

国も対策を強化している

国も失踪問題に対する対策を強化しています。
不適切な監理団体や実習実施者を制度から排除する施策が、対策としての主な取り組みです。
また、実習中の技能実習生の失踪を防ぐための取り組みも進められています。
受け入れ企業側も、これらの国の施策を理解し、積極的に協力していくことが必要です。

外国人技能実習生が失踪する理由

外国人技能実習生の失踪には、さまざまな要因が絡み合っています。
ここでは、主な失踪理由について詳しく見ていきましょう。
これらの理由を理解することで、効果的な防止策を講じることができます。

低賃金での労働

低賃金労働は、外国人技能実習生の失踪における主要因の一つです。
技能実習生は最低賃金での雇用が可能であり、各種費用控除後の実収入が本人の予想以上に少なくなることがあります。
また、残業時間の不適正管理により、期待する収入を得られないケースも存在します。
受け入れ企業側では、適正な賃金管理と透明性のある給与システムの構築が必要です。

暴力や差別

一部の職場では、外国人技能実習生に対する暴力や差別が横行しています。
肌の色や人種に基づく差別、パワハラは、外国人技能実習生を失踪に至らせる大きな要因の一つです。
受け入れ企業は、ハラスメント防止ポリシーの設置や従業員教育の徹底、相談窓口の設置などに取り組むことが大切です。

実習生側の経済的・社会的状況

実習生のなかには、来日のための借金や母国への仕送りのプレッシャーを抱える人も多くいます。
このような経済的・社会的プレッシャーから、実習生はより高い賃金を求めて、不正な職場での就業に手を出すことがあります。
企業側は、実習生の背景を理解し、金銭管理のアドバイスや生活サポートなど、適切な支援を提供することが重要です。

外国人技能実習生が失踪した場合の企業の対応

外国人技能実習生が失踪した場合、企業は迅速かつ適切な対応が求められます。
以下に、具体的な手順を解説していきます。

監理団体に報告する

失踪が発覚したら、まずは速やかに監理団体へ報告しましょう。
失踪により実習継続が困難と判断される場合、監理団体は「技能実習実施困難時届出書」を作成し、外国人技能実習機構に提出します。
企業の迅速な報告は、この手続きをスムーズに進め、その後の対応策を講じるうえでも重要です。

宿泊施設や近隣住民に目撃情報を確認する

実習生の早期発見のため、宿泊施設や近隣住民、同僚などに目撃情報の聞き取り調査を行いましょう。
特に、失踪直後の情報収集は重要です。
宿泊施設スタッフや住民には、実習生の写真を見せて情報提供を依頼し、同僚からは失踪前の様子や気になった言動を聞き取ります。
これらの情報は原因究明や再発防止策の検討にも役立ちます。

警察に相談する

上記の方法でも失踪先が不明な場合、警察へ相談するのが次の段階です。
捜索願の提出を検討しましょう。
特に貴重品が多く残されている場合は、事件の可能性も考えられるため、速やかな警察相談が推奨されます。
詳細な情報(写真、特徴、最後の目撃時の服装など)を用意し、社内で窓口を一本化しておくと効果的です。

外国人技能実習機構に届出書を提出する

団体監理型実習実施者の場合は監理団体への連絡のみで良いですが、企業単独型実習実施者または監理団体の場合は、別途手続きが必要です。
実習困難事由発生から2週間以内に、外国人技能実習機構の地方事務所・支所認定課に「技能実習実施困難時届出書」を提出しなくてはなりません。
これは法的義務であり、遅滞なく対応が求められます。

退職にともなう手続きを行う

発見された実習生が退職を選択した場合、適切な退職手続きが必要です。
最終賃金支払い、退職支援、社会保険や厚生年金の資格喪失手続きなどが含まれます。
これらは実習生の権利を守り、企業のコンプライアンス遵守を示す重要な過程です。
最終賃金の計算には細心の注意を払い、未払い残業代などがないよう確認しましょう。

再発防止策を検討する

失踪事案発生後は、原因を分析し、再発防止策を検討することが極めて重要です。
不当な扱いがなかったか社内検証し、入国前説明やコミュニケーションの配慮が十分だったか振り返ります。
監理団体と実習実施者で自己点検を行い、改善点を洗い出しましょう。
定期面談の実施や、異文化理解研修の充実、労働環境改善などの策が考えられます。

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外国人技能実習生が行方不明になった場合に企業に課されるペナルティ

外国人技能実習生の失踪は、受け入れ企業にとって深刻な問題となります。
ここでは、企業が直面する可能性のあるペナルティについて詳しく見ていきましょう。

外国人技能実習生の受け入れ停止

失踪発生時、特に企業側に責任があると判断された場合、新規技能実習生の受け入れ停止措置が適用される場合があります。
停止期間は違反内容に応じて1年、3年、5年のいずれかです。
この間、新たな実習生受け入れができず、企業の人材戦略に大きな影響を与える可能性があるでしょう。

優良認定要件の減点

失踪者を出すと技能実習制度における優良認定基準のポイントが減点され、新規取得困難や既存認定取り消しのリスクが生じます。
技能実習制度の優良認定は、受け入れ人数枠拡大や実習期間延長など、さまざまな優遇措置をもたらすものです。
優良認定維持は企業の競争力や信頼性に直結するため、失踪防止に向けた取り組み強化が重要となります。

企業名の公表

出入国在留管理庁の施策には、「失踪技能実習生を雇用した企業名の公表」が含まれています。
これは、失踪者を多く出した企業にとって大きなペナルティとなり、社会的信用の低下や取引先からの信頼喪失など、ビジネス上の不利益をもたらす可能性があります。
今後の人材採用や事業展開にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、失踪防止は最重要課題といえるでしょう。

外国人技能実習生の失踪を防ぐには

外国人技能実習生の失踪を防ぐためには、企業側の積極的な取り組みが不可欠です。
ここでは、失踪防止のための具体的な方策について詳しく見ていきましょう。

労働環境の整備

失踪防止には労働環境の整備が重要です。
差別やパワハラを容認しない職場、言語の壁を考慮したコミュニケーション環境の整備が求められます。
通訳者の配置や多言語案内表示の設置も効果的です。

定期面談の実施や相談窓口の設置により、実習生の不安や不満を早期に把握し、対応するよう努めましょう。
また、実習生の文化や習慣を尊重する姿勢も重要であり、これらの配慮が信頼関係の構築、ひいては失踪の防止につながります。

雇用契約の締結状況の確認

適切な雇用契約の締結は、失踪を防止する意味でも重要です。
給与条件を明確化し、労働時間と休日を明示するとともに、社会保険加入状況を説明することなどが求められます。
また、借金返済の状況やスケジュールなど、実習生の母国での状況を考慮することも大切です。

定期的な契約内容見直しも効果的で、実習の進捗に応じた給与や労働条件改善検討がモチベーション維持につながります。
これらの取り組みが給与関連での実習生のストレス軽減と、失踪リスクの低下に寄与します。

外国人技能実習生の失踪を防ぐ取り組みをしよう

外国人技能実習生の失踪問題は、企業にとって深刻な課題となっています。
失踪者数は年々増加傾向にあり、特に建設業で顕著です。
この状況を改善するためには、企業側の積極的な取り組みが欠かせません。

失踪の主な原因として、低賃金労働、暴力や差別、実習生の経済的・社会的状況などが挙げられます。
これらの問題に対処するためには、適切な労働環境の整備と、公正な雇用契約の締結が重要です。
実習生とのコミュニケーションを充実させ、彼らの背景にある事情を理解しながら、適切なサポートを提供することが求められます。

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執筆者について

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