
日本では深刻な人手不足が問題となっており、外国人労働者の活用が進められています。
しかし、近年では外国人労働者の日本離れが問題になっています。
企業として外国人労働者を採用していくためには、日本離れの理由を理解し、対策を講じることが重要です。
本記事では、外国人労働者が日本を離れる理由と、企業が取ることができる対策について解説します。
目次
外国人労働者が日本離れする理由
外国人労働者の日本離れが問題になっています。
外国人労働者が日本を離れる理由は、大きく分けて2つあります。
1つは円安、もう1つは労働環境の悪さです。
円安
近年の円安により、外国人労働者の母国への送金が難しくなっているのが現状です。
外国人労働者のなかには、母国の家族を養うために仕事をしている人も少なくありません。
しかし、円安の影響で自国通貨に換算したときの手取り収入が減り、母国への送金が難しいほか、就業意欲も低下する傾向にあります。
さらに、物価高の影響もあり、高収入を得られない状態で日本で生活することが難しい状況もあります。
このような状況から、外国人労働者の日本離れが進んでいるのです。
労働環境が悪い
日本の労働環境の悪さも、外国人労働者の日本離れの理由となっています。
残業や長時間労働など、ワークライフバランスが悪いことが問題視されています。
法令を遵守していない、いわゆるブラック企業もいまだに存在しており、長時間労働や休日出勤などが当たり前となっている日本の就業環境が敬遠されているのです。
外国人労働者の日本離れを防ぐために
企業として、給与以外の魅力を打ち出していくことも重要です。
ここでは、企業ができる対策について3つ紹介します。
人間関係が良好な職場を意識する
外国人労働者が就職先を選ぶポイントとして、人間関係が重視されています。
マイナビグローバルが2024年に行った調査によると、2022年の調査に比べて「社員の人間関係が良い」が約28ポイントアップしました。
外国人労働者は、長く働き続けられる職場を選ぶ傾向にあるため、人間関係が良好で継続して勤務できる職場が魅力的に感じられるでしょう。
企業としては、コミュニケーションを重視し、良好な人間関係を築ける職場づくりを心がけましょう。
福利厚生を充実させる
福利厚生の充実も、外国人労働者の確保につながります。
具体的には、法定福利厚生に加え、寮の準備や住宅手当の支給、光熱費、通信費の補助などの生活サポートが挙げられます。
日本人と同程度の福利厚生を担保することは必須です。
また、円安分を担保することも手段の一つとなります。
福利厚生を充実させることで、外国人労働者にとって働きやすい環境を整えることができるでしょう。
資格支援などのサポートを行う
外国人労働者の定着には、キャリアアップの機会を提供することも重要です。
技能実習生から特定技能1号へ、さらに特定技能2号といった上位の在留資格へとステップアップするための支援や資格取得のサポートを行うことで、外国人労働者のモチベーションを高めることができます。
企業側が充実した日本における労働環境をつくることで、外国人労働者の確保につながるでしょう。
キャリアアップの機会を提供し、長期的な視点で外国人労働者の育成を図ることが求められます。
外国人労働者の人材流出を防ぐ取り組みを検討しよう
円安や労働環境の悪さが理由で、外国人労働者の日本離れが進んでいます。
外国人労働者の日本離れを防ぐためには、企業としての取り組みが重要です。
企業としては、人間関係が良好な職場づくりや福利厚生の充実、資格支援などのサポートを行うことで、外国人労働者にとって魅力的な職場を提供できます。
外国人労働者の人材流出を防ぐためにも、企業としての取り組みを検討し、実行していくことが求められているのです。