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特定技能「外食業」分野とは?業務内容や特定技能外国人を雇用する要件も解説

外食業界では深刻な人手不足が問題となっています。
特定技能制度を活用し、特定技能外国人を受け入れることが、人手不足解決への糸口になるでしょう。
本記事では、特定技能「外食業」分野の概要と取得要件、受入れ企業の基準や義務について詳しく解説します。

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特定技能「外食業」分野とは外食業界の人手不足を解消する制度

特定技能「外食業」分野とは外食業界の人手不足を解消する制度

2010年代後半から、外食業を含む一部の産業分野において、人手不足が問題となっています。
政府はこれを解決するため、2019年に、新たな在留資格として「特定技能」を創設しました。
外食業界も特定技能制度を活用して、現在まで人手不足解消に努めています。

特定技能に「外食業」が含まれる背景

人材不足の解決策の一つとして、外国人労働者の受け入れが注目されたのが、特定技能に外食業が含まれた背景です。

外食業では、低賃金の問題や労働環境が厳しいことが人手不足の原因となっています。
特定技能制度を活用し、外国人労働者を受け入れることで、これらの問題を解消し、安定的な人材確保をめざしています。

外食業の特定技能の取得状況

出入国在留管理庁が公表している2023年12月現在の特定技能在留外国人数の資料によると、外食業の特定技能の外国人数は13,312人です。
特定産業の分野別割合では6.4%となっています。
都道府県別では、東京都が3,484人、大阪府1,454人、愛知県1,180人の順に多く、青森県が9人と最も少ない状況です。

2022年12月現在の特定技能在留外国人数の資料では、外食業の特定技能の外国人数は5,159人で、分野別割合では3.9%でした。
そのため、外食業における外国人労働者の受け入れは、増加傾向にあるといえるでしょう。

特定技能「外食業」分野の業務内容

外国人が特定技能「外食業」を取得すると、外食業全般の業務に従事できます。
主な業務は以下の3つです。

  • 飲食物調理:食材の仕込みや加熱および非加熱調理、盛り付けなど
  • 接客:注文伺いや配膳、受付業務など
  • 店舗管理:事務管理や仕入れ、店舗の清掃など

上記に加えて、日本人が通常従事している関連業務であれば従事可能です。
例えば、お店で原材料として使用する農林水産物の生産や、店内で飲食物とは別の商品を販売することが挙げられます。

外国人労働者は、レストランや喫茶店はもちろん、テイクアウトやデリバリーの専門店など幅広い飲食店で就労できます。
ただし、デリバリー専門店などで、配達業務のみに従事することはできないので注意しましょう。

また、風俗営業法により、ホストやキャバクラなど風俗営業許可が必要となる営業所での就労は許可されていません。

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外食業の特定技能を取得する要件

外国人が特定技能「外食業」を取得するには、いくつかの要件を満たさなければいけません。
以下では、外食業の特定技能の取得に必要な要件をそれぞれ解説します。

18歳以上である

まず前提として、18歳以上であることが特定技能「外食業」の取得に必要な要件です。
18歳未満であっても、在留資格認定証明書の交付申請を行うこと自体はできます。
ただし、日本に上陸する際には、18歳以上でなければいけません。

18歳未満での労働は日本人でも制限されているので、特定技能「外食業」の取得とそれにともなう就労に18歳以上の男女であることが求められています。

特定技能試験に合格する

特定技能「外食業」の取得には、日本語能力と外食業に関する技能を測る試験に合格することが条件です。
以下では、日本語能力試験と外食業特定技能1号技能測定試験について解説します。

日本語能力試験

外食業の特定技能1号取得に関して、日本語能力試験(JLPT)でN4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2以上であることが条件です。
日本語能力試験のN4レベルは、基本的な語彙や漢字で書かれた文章を読めたり、日常的な場面でややゆっくりと話される会話の内容が理解できたりするレベルです。

国際交流基金日本語基礎テストでA2以上であれば、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準に達していると判定されます。

また、外食業の特定技能2号の場合は、日本語能力試験で1段階レベルの高いN3以上でなければなりません。

外食業特定技能1号技能測定試験

外食業の特定技能取得には、上記の日本語能力試験に加えて、外食業特定技能測定試験に合格する必要もあります。

外食業特定技能1号技能測定試験の試験は、学科試験と実技試験の2科目で行われます。
学科試験は、衛生管理・飲食物調理・接客全般の3つの項目があり、配点等は以下の表を参照してください。

項目 問われる内容 問題数と配点
衛生管理 ・一般衛生管理に関する知識
・HACCPに関する知識
・食中毒に関する知識など
各4点×10問(計40点)
飲食物調理 ・調理に関する知識
・食材に関する知識
・調理機器に関する知識など
各3点×10問(計30点)
接客全般 ・接客サービスに関する知識
・食の多様化に関する知識
・クレーム対応に関する知識など
各3点×10問(計30点)

参考:3. 試験科目、実施方法等 | 特定技能1号技能測定試験 外食業国内試験 | OTAFF

実技試験では、問われる知識は学科試験と同様ですが、判断試験と計画立案の2つの方法で能力を測ります。
判断試験では図とイラスト等を見て正しい行動を選ぶ試験で、計画立案は計算式を用いて作業の計画を作る試験です。

配点等は以下の表を参照してください。

項目 問題数 配点と合計点
判断試験 計画立案
衛生管理 3問 2問 各8点(計40点)
飲食物調理 3問 2問 各6点(計30点)
接客全般 3問 2問 各6問(計30点)

参考:3. 試験科目、実施方法等 | 特定技能1号技能測定試験 外食業国内試験 | OTAFF

企業が特定技能外国人を雇用する要件

企業が特定技能外国人を雇用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
外国人を受け入れるための基準や義務が定められており、受入れ企業はこれらを遵守しなければいけません。

以下では、特定技能外国人を受け入れる企業の要件について解説します。

外国人を受け入れるための基準を満たしている

企業が外国人を受け入れるための基準に、以下の4点があります。

⓵ 外国人と結ぶ雇用契約が適切(例:報酬額が日本人と同等以上)
② 機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③ 外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④ 外国人を支援する計画が適切(例:生活オリエンテーション等を含む)

引用:1 受入れ機関が外国人を受け入れるための基準

企業側は、外国人だからといって、不当に賃金を安く設定したり、所定労働時間を増減させたりしてはいけません。
特定技能雇用契約は、日本人と同等の労働条件と待遇で締結する必要があります。

受入れ企業の義務を満たしている

日本人と同等以上の報酬を支払うというように、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行しなければなりません。
また、外国人の支援を適切に実施するのも義務の一つです。

例えば、外国人への支援として、日本語能力の向上や自己成長のための研修を実施する事業者もいます。

受入れ企業は、外国人の支援を行い、支援に関する各種届出を出入国在留管理庁へ提出しなければなりません。
なお、支援と届出に関しては、登録支援機関に委託することも可能です。

食品産業特定技能協議会に加入している

受入れ企業は、特定技能制度の適切な運用を図るため、所管省庁が設置する特定技能協議会への加入が必要です。
外食分野の場合は、「食品産業特定技能協議会」になります。
この協議会は飲食料品製造業分野が加入するものと同じです。

特定技能協議会は、初回の受け入れから4ヵ月以内に加入しなければいけない点に注意しましょう。

特定技能「外食業」分野の業務内容や外国人を雇用する要件を理解しよう

特定技能「外食業」分野は、外食業界の深刻な人手不足を解決するために2019年に新設されました。
外国人が特定技能「外食業」を取得すると、飲食物の調理や接客、店舗管理や原材料の仕入れなどに従事できます。
ただし、ホストやキャバクラなど、風俗営業許可が必要となる業態での就労はできません。

企業が特定技能外国人を雇用するには、受け入れるための基準や義務を満たし、食品産業特定技能協議会に加入する必要があります。
特定技能外国人の受け入れの際はもちろん、雇用期間中も、外国人労働者の支援を実施することが重要です。

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