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特定技能外国人を雇用したら届出が必要?届出書類や罰則についても解説

特定技能外国人を雇用する際、事業主には各種届出の義務が課せられます。
出入国管理及び難民認定法や労働施策総合推進法に基づき、定期報告・随時届出、外国人雇用状況届出などを期限内に行わなくてはなりません。
これらの届出を怠った企業は罰則の対象となる可能性もあるため、注意が必要です。

本記事では、特定技能外国人の雇用にあたって必要な届出と必要書類、届出をしなかった場合の罰則などを解説します。

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特定技能外国人を雇用したら届出が必要

特定技能外国人を雇用したら届出が必要

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、出入国管理及び難民認定法(入管法)や労働施策総合推進法に基づいた各種届出を行う必要があります。
いずれの届出も受け入れ企業の義務とされており、期限内に必要書類を提出しなければなりません。

「出入国管理及び難民認定法」に基づく届出

特定技能外国人と雇用契約を結び直した、あるいは変更・終了が発生した場合は、その事由の発生から14日以内に、入管法に基づく届出が必要です。
入管法の第19条の18では、特定技能雇用契約の締結や終了があった際、法務省令で定めた内容を出入国在留管理庁に届け出るよう受け入れ企業に求めています。

また、これらの事由が発生しなかったとしても、特定技能外国人を雇用している企業は、出入国在留管理庁へ定期的な報告を行わなければなりません。
特定技能の定期報告について、詳しくは後述します。

「労働施策総合推進法」に基づく届出

特定技能外国人の雇用時と離職時には、労働施策総合推進法に基づく届出が必要です。
労働施策総合推進法の第28条では、外国人労働者を新たに受け入れた、あるいは離職が発生した企業は、省令で定める内容を厚生労働大臣に届け出るよう義務付けています。
届出先はハローワークです。

受け入れ企業が正しく届出を行うことで、国が外国人労働者の雇用状況を把握でき、雇用の安定化や再就職支援などのサポートを提供しやすくなります。

特定技能の定期報告

特定技能外国人を受け入れている事業主は、出入国在留管理庁に対する定期的な報告義務を負います。
定期報告に必要な書類や提出時期、提出先などを把握しておき、スムーズに届出を進められるようにしましょう。

必要書類

定期報告の際に企業が提出する書類は、登録支援機関に支援を委託しているか否かで違ってきます。
自社で支援を実施している場合、登録支援機関に委託している場合より必要書類が多くなるため、計画的に準備を進めましょう。

登録支援機関の支援を受けている場合

登録支援機関に特定技能外国人の支援を委託している場合、受け入れ企業側で用意する書類には次のようなものが挙げられます。

  • 受入れ・活動状況に係る届出書
  • 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
  • 賃金台帳の写し
  • 報酬支払証明書

以下の書類に関しては、登録支援機関側で準備してもらうことが可能です。

  • 支援実施状況に係る届出書
  • 1号特定技能外国人支援対象者名簿
  • 定期面談報告書

それぞれの書類のフォーマットは、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードできます。

自社で支援を行っている場合

自社で特定技能外国人の支援を行っている場合、準備すべき書類は以下のとおりです。

  • 受入れ・活動状況に係る届出書
  • 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
  • 賃金台帳の写し
  • 支援実施状況に係る届出書
  • 相談記録書
  • 定期面談報告書

特定技能外国人の給与を現金で支払っているのであれば、報酬支払証明書の提出も求められます。

提出時期

特定技能外国人に関する定期報告は、四半期ごとに行わなければなりません。
3ヵ月に1回、合計で年4回の届出を以下のスケジュールで実施します。

   対象期間 提出期間
第1四半期 1月1日〜3月31日 4月1日〜4月15日
第2四半期 4月1日〜6月30日 7月1日〜7月15日
第3四半期 7月1日〜9月30日 10月1日〜10月15日
第4四半期 10月1日〜12月31日 翌年1月1日〜1月15日

期間内に提出できない書類がある場合、その事情を説明するための理由書を添付しましょう。

提出先

定期報告の届出先は、受け入れ企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局、またはその支局です。
雇用している特定技能外国人の指定書に自社本店の所在地が記載されているため、その住所を管轄する管理局や支局に必要書類を提出します。

全国の出入国在留管理官局とそれぞれの管轄地域は、下表からご確認ください。

地方出入国在留管理官署 管轄地域
札幌出入国在留管理局 北海道
仙台出入国在留管理局 青森県、岩手県、宮城県、山形県、秋田県、福島県
東京出入国在留管理局 茨城県、群馬県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、長野県、山梨県
東京出入国在留管理局横浜支局 神奈川県
名古屋出入国在留管理局 愛知県、三重県、岐阜県、静岡県、福井県、富山県、石川県
大阪出入国在留管理局 大阪府、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県
大阪出入国在留管理局神戸支局 兵庫県
広島出入国在留管理局 広島県、山口県、岡山県、島根県、鳥取県
高松出入国在留管理局 徳島県、高知県、香川県、愛媛県
福岡出入国在留管理局 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、宮崎県
福岡出入国在留管理局那覇支局 沖縄県

提出方法

定期報告書類の作成が完了したら、所管の地方出入国在留管理局や支局の窓口へ直接持参するか、郵便で提出します。
また、出入国在留管理庁電子届出システムを使い、オンラインで報告を完結させることも可能です。
オンラインで行う場合は、事前に電子届出システムの利用者情報登録を済ませておきましょう。

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特定技能の随時の届出

特定技能外国人の雇用状況や支援内容に変更が生じたときは、出入国在留管理庁に対する随時届出が必要です。
雇用契約の再締結・変更・終了が発生したときをはじめ、特定技能外国人が失踪してしまい受け入れが困難になったときなども、随時届出が義務付けられています。

必要書類

特定技能外国人との雇用契約に変更が生じた、離職した、支援計画の内容・支援の委託先が変わったなどのときは、随時届出として以下のような書類の提出が求められます。

  • 特定技能雇用契約に係る届出
  • 支援計画変更に係る届出書
  • 支援委託契約に係る届出書
  • 受入れ困難に係る届出
  • 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為に係る届出書

これらは、出入国在留管理庁に対して変更事由を報告するための届出です。
不正行為に関わる届出書は、入管法や労働関係法令に反するような企業の欠格事由が発覚した場合に提出します。
例えば、特定技能外国人の在留カードの取り上げ、給与の未払い、不当な違約金の徴収などが考えられるでしょう。

提出時期

随時届出の提出期限は、届出事由が発生してから14日以内です。
ただし、未来日を届出事由の発生日とすることはできません。
届出事由の発生後、または発生を認知した日以降に届出書を作成するようにしましょう。

提出先

随時届出の提出先は、受け入れ企業の登記上の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局や支局となります。
特定技能の定期報告と同様の提出先です。

提出方法

届出書の作成者が地方出入国在留管理局や支局の窓口へ直接持参する場合、身分証明書の提示が求められます。
郵送で提出する際は、届出書を作成した方の身分証明書の写しを同封してください。

また、出入国在留管理庁の電子届出システムを利用した、オンライン提出もできます。
事前に窓口や郵送で利用者情報登録を済ませておきましょう。

特定技能外国人の外国人雇用状況の届出

特定技能外国人の外国人雇用状況の届出

特定技能外国人の受け入れ状況に変更が生じたときには、労働施策総合推進法に基づき、ハローワークに対して外国人雇用状況の届出を行います。
雇用時と離職時いずれのタイミングでも届出が求められますが、対象の特定技能外国人が雇用保険の被保険者か否かで、提出期限が異なる点に注意しましょう。

雇用保険被保険者となる場合、雇用時の届出は翌月10日まで、離職時は翌日から数えて10日以内です。
一方、雇用保険被保険者とならない外国人材であれば、雇用時・離職時ともに翌月末が期限となります。

必要書類

外国人雇用状況の届出における提出書類は、雇い入れ時と離職時で異なります。
特定技能外国人が雇用保険の被保険者となるか否かでも届出の内容が変わってくるため、書類を準備する際は慎重に確認しておきましょう。

雇い入れ時

特定技能外国人が雇用保険に加入する場合は、外国人雇用状況の届出書を兼ねている「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。
一方、被保険者とならない場合は「外国人雇用状況届出」を提出します。

離職時

特定技能外国人が雇用保険の被保険者となっていた場合は、外国人雇用状況の届出書を兼ねている「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出しましょう。
被保険者でなければ、「外国人雇用状況届出書」を使用します。

いずれの書類も、厚生労働省のホームページから雛型をダウンロード可能です。

建設分野と造船・舶用分野で必要な届出

建設分野もしくは造船・舶用分野で特定技能外国人を受け入れる際は、ここまで紹介した届出に加えて、各分野特有の届出も義務付けられています。
必要になる届出の詳細をそれぞれ見てみましょう。

建設分野

建設分野で特定技能外国人を雇用する企業は、外国人材の受け入れ後1ヵ月以内に、国土交通省へ受け入れ報告を行う必要があります。
外国人就労管理システムを使用し、「受入報告書」を提出しましょう。

この際、CCUS(建設キャリアアップシステム)カードの写しが必要です。
提出期限までにCCUSカードを取得できない場合、CCUSに申請済みであることを証明する書類の添付が求められます。

造船・舶用工業分野

造船・舶用工業分野で特定技能外国人を受け入れたい企業は、あらかじめ国土交通省に対して、造船・舶用工業事業者の確認申請手続きを行わなければなりません。
造船・舶用工業分野に係る特定技能外国人受入れに係る事務取扱要領では、特定技能外国人を雇用する企業は、国土交通省海事局船舶産業課による認定が必要としています。

「造船・舶用工業事業者の確認申請書」に必要事項を記入し、登記事項証明書を添付のうえ国土交通省海事局船舶産業課に郵送しましょう。
確認通知書が届き次第、地方出入国在留管理局にて特定技能外国人の在留資格に関する申請ができるようになります。

届出を怠った場合の罰則はある?

特定技能外国人の雇用にともなう各種届出を怠った企業は、罰則の対象となりうるため注意が必要です。
入管法に基づく届出を行わなかった場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
労働施策総合推進法に基づく届出や定期報告の不履行は、30万円以下の罰金刑の対象です。

また、罰金刑や過料が科されるだけでなく、特定技能外国人との雇用締結が一時的に認められなくなる恐れもあります。
いずれの届出も受け入れ企業の義務となるため、決められた期間内に正しく手続きを行うことが大切です。

特定技能外国人を雇用する際に必要な届出を知って参考にしよう

特定技能外国人を雇用する企業は、入管法や労働施策総合推進法に基づく各種届出を行う必要があります。
随時届出や定期報告、そして外国人雇用状況の届出のいずれも提出期間が定められており、必要書類を準備のうえで適切に届出を済ませなければなりません。

届出を怠ったり、虚偽の内容を報告したりした場合、罰則の対象となる可能性があります。
また、建設分野と造船・舶用分野については、各分野特有の届出も必須です。

特定技能外国人の雇用を検討している方は、必要な届出について事前に理解を深めておき、スムーズな受け入れをめざして準備を整えましょう。

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