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特定技能と特定活動の違いとは?切り替え方と具体例も紹介

特定技能と特定活動は、どちらも外国人が日本に在留するために必要な在留資格です。
しかし、特定技能と特定活動は制度の目的に大きな違いがあり、なかでも特定技能は日本での就労を前提としています。
一方の特定活動は、特定技能など既存の在留資格に該当しない外国人の受け皿となる制度で、必ずしも日本での就労を目的としているわけではありません。
外国人の雇用を考えている場合、自社で任せたい業務に従事できる人材なのか、在留資格や指示書の内容をよく確認したうえで採用活動を進めましょう。

本記事では、特定技能と特定活動の違いや種類、特定活動から特定技能への切り替え方を解説します。

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特定技能と特定活動の違い

特定技能と特定活動の違い

特定技能と特定活動は、どちらも外国人が日本に在留するための在留資格です。
しかし、これらは異なる目的で創設されたものであり、どの在留資格を持つ外国人であっても日本での就労が認められているわけではありません。

自社で外国人の受け入れを進める場合には、特定技能と特定活動それぞれの特徴や違いを理解しておきましょう。

特定技能とは

特定技能は、人手不足が深刻化する特定の産業分野において、一定の専門性を持った外国人を受け入れるための制度です。
特定技能には1号と2号があり、それぞれ下表のような違いがあります。

   特定技能1号 特定技能2号
在留期間 上限5年 上限なし
技能認定方法 試験の合格
(技能実習2号修了者は免除)
試験の合格
受け入れ可能分野 16分野 11分野
日本語能力水準 日本語能力検定、または国際交流基金日本語基礎テストを一定レベル以上で合格 試験での確認は不要
家族の帯同 基本的に不可能 要件を満たせば可能
受け入れ企業や登録支援機関による支援 支援が必要 支援不要

特定技能外国人の受け入れが認められている特定産業分野は、2024年6月時点で以下の12分野です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

さらに今後、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が新たに追加されることが決定しました。
特定技能2号は介護以外の11分野が対象となっており、追加分野も1号のみの受け入れを予定しています。

特定活動とは

特定活動は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められた在留資格に該当しない外国人のための在留資格で、法務大臣によって認定されます。
個々の外国人の状況によって在留期間は異なりますが、最長5年です。

社会情勢の変化などに合わせて新たな在留資格を逐一作るとなると、入管法を改正しなければならず、制定までに時間がかかってしまうでしょう。
「すでに存在する在留資格のどれにも当てはまらないケースでは、特定活動の在留資格を認める」とすれば、柔軟に外国人を受け入れられます。

例えば、特定技能1号の外国人が5年の在留期限を迎えたものの、病気などにより帰国困難となった場合、既存の在留資格には該当しないことから特定活動の申請が可能です。
さまざまな事情に対応するための受け皿として機能するため、特定活動の種類は増減する可能性があります。

特定活動から特定技能に切り替えるには?

外国人の在留資格を特定活動から特定技能1号へ切り替えるには、日本語試験と技能試験に合格しなければなりません。
日本語試験では、以下いずれかへの合格が求められます。

  • 国際交流基金日本語基礎テストでA2以上
  • あるいは日本語能力試験でN4以上

一方、技能試験の内容は16業種それぞれで異なり、学科試験だけでなく実技試験をともなうものもあります。
あらかじめ、特定技能1号を取得したい分野の試験の詳細を確認しておきましょう。

在留資格「技能実習2号」を良好に修了した外国人であれば試験が免除されますが、特定活動から特定技能に切り替えるには試験への合格が必要です。

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特定活動の種類

特定活動は、大きく3つの区分に分けられます。

  • 出入国及び難民認定法で規定されている特定活動
  • 告示特定活動
  • 告示外特定活動

順に詳しく見てみましょう。

出入国及び難民認定法で規定されている特定活動

出入国及び難民認定法で規定されている特定活動は、以下の3種類です。
専門性の高い研究や情報処理機関に従事する外国人、またはその家族を対象としています。

名称 対象者
特定研究等活動 特定分野に関する研究・指導・教育の活動、またはこれらの事業を経営する外国人
特定情報処理活動 自然科学または人文科学に関する技術・知識が必要な情報処理業務に従事する外国人
特定研究等活動等の親・特定研究等活動等の家族 特定研究活動または特定情報処理活動で来日している外国人の配偶者や子ども

告示特定活動

告示特定活動は、入管法に定められた在留資格以外の活動を行う外国人に対し、法務大臣が慣例的に認める在留資格であり、時勢に応じて種類が増減します。
2024年6月現在、告示特定活動は54号まであり、11号、13号、14号は削除されました。

告示特定活動の種類ごとに認められる活動内容は、以下のとおりです。

1号 外交官の家事使用人 28号 ベトナム人介護研修生(就労あり)
2号 高度専門職、経営・管理の家事使用人 29号 ベトナム人介護研修生(就労なし)
3号 台湾日本関係協会に在籍する在日職員とその家族 30号 27号のベトナム人看護研修生の家族
4号 駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族 31号 28号のベトナム人介護研修生の家族
5号 ワーキングホリデー 32号
(受入終了)
オリンピック・パラリンピック関連の建設業に従事する外国人
6号 アマチュアスポーツ選手 33号 高度専門職の在留資格を持つ外国人の配偶者かつ就労している方
7号 6号のアマチュアスポーツ選手の扶養家族(配偶者・子) 34号 高度専門職外国人もしくはその配偶者の親
8号 国際仲裁事件の代理を行う外国人弁護士 35号 造船業に従事する外国人
9号 インターンシップ 36号 研究者・教育者、もしくは研究・教育に関連する事業の経営者
10号 イギリス人ボランティア 37号 情報処理技術者
11号 削除 38号 36号、37号の在留資格で活動する外国人の扶養家族(配偶者・子)
12号 サマージョブ(短期インターンシップ)を行う外国人大学生 39号 36号、37号の在留資格を持つ外国人と配偶者の親
13号 削除 40号 観光・保養のために滞在する外国人
14号 削除 41号 40号の在留資格を持つ外国人の家族
15号 国際文化交流を行う外国人大学生 42号 製造業に従事する外国人
16号 インドネシア人看護研修生 43号 ほかの在留資格に当てはまらない日系4世
17号 インドネシア人介護研修生 44号 外国人起業活動管理支援計画の認定を受けた外国人起業家
18号 16号のインドネシア人看護研修生の家族 45号 44号の在留資格を持つ外国人の扶養家族(配偶者・子)
19号 17号のインドネシア人介護研修生の家族 46号 日本の4年制大学や大学院を修了し、日本語力N1以上の外国人
20号 フィリピン人看護研修生 47号 46号の在留資格を持つ外国人の扶養家族(配偶者・子)
21号 フィリピン人介護研修生(就労あり) 48号 東京オリンピック関係者
22号 フィリピン人介護研修生(就労なし) 49号 48号の在留資格を持つ外国人の扶養家族(配偶者・子)
23号 20号のフィリピン人看護研修生の家族 50号 スキーインストラクター
24号 21号のフィリピン人介護研修生の家族 51号 未来創造人材外国人
25号 日本の病院で入院・治療を受ける外国人 52号 51号の在留資格を持つ外国人の扶養家族(配偶者・子)
26号 25号で治療を受ける方の
日常生活をサポートする外国人
53号 デジタルノマド(国際的なリモートワーク)を目的に滞在する外国人
27号 ベトナム人看護研修生 54号 53号の在留資格を持つ外国人の扶養家族(配偶者・子)

告示外特定活動

告示外特定活動は、上述した特定活動のいずれにも該当せず、特別な事情で日本に留まる外国人のための在留資格です。
申請者である外国人個人の事情を鑑みて法務大臣が許可を行う在留資格であり、すでに日本に入国している方の在留資格変更という形で認められます。

以下は、告示外特定活動が許可される事例の一部です。

告示外特定活動の名称 対象者
出国準備のための活動 ● 在留資格の変更申請を提出したが不許可となり、在留期限を過ぎてしまった(オーバーステイ)
継続就職活動 ● 在留資格「留学」で専門学校や大学を卒業したあと、在留期間修了後も就職活動を継続したい
特定技能移行準備 ● 特定技能1号への在留資格変更を希望しているが、在留期限内に変更手続きを完了できない

特定技能と特定活動は内容が異なるため雇用時は注意しよう

特定技能と特定活動は、どちらも日本に入国・在留する外国人を対象とした在留資格ですが、それぞれ運用の目的が異なります。
即戦力人材の獲得を目的とした特定技能に対し、特定活動は、入管法に定められた在留資格に該当しない外国人の受け皿として機能するものです。

特定活動で在留する外国人のなかには、就労が原則認められていない方もいます。
また、特定活動から特定技能に切り替えたい場合、日本語試験と技能試験に合格しなければなりません。

外国人を雇用する際は、これらの在留資格の違いを理解し、自社で任せたい業務に適した人材を受け入れることが大切です。

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執筆者について

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