外国人材の採用を検討している経営者や採用担当者にとって、入管法上の身元保証人についての理解は非常に重要です。
身元保証人の役割や責任範囲、なるための条件など、知っておくべき情報が多くあります。
本記事では、入管法における身元保証人について詳しく解説していきます。
外国人採用のプロセスをスムーズに進めるための重要な情報源となりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
入管法上の身元保証人の責任の範囲
一般的に「身元保証人」と聞くと、お金を借りた際の連帯保証人を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、入管法上の身元保証人は、連帯保証人とは大きく異なります。
法的な責任はなく、支払いの肩代わりを強制的に求められるといったことはありません。
入管法における身元保証人の保証範囲は、主に以下の3つです。
- 滞在費用の支払い
- 帰国費用の支払い
- 法令の遵守
身元保証人は、外国人が国内で入国時の目的を継続して達成できるよう、経済的保証や生活指導を行う役割を担っています。
法令や出入国在留管理局からの指示を守るよう促すことも、重要な責務の一つです。
もし身元保証人として、前述の役割を果たせなくても、法的な罰則などはありません。
ただし、在留申請における身元保証人としての適性を欠くといった、社会的信用を失う可能性があります。
その結果、再び身元保証人になることが難しくなる場合がありますが、それ以上の責任は問われません。
入管法上の身元保証人の条件
身元保証人になるための主な条件は、以下の3つです。
- 日本人または外国人の永住者であること
- 一定の資産を持っていること
- 身元保証人になる意思があること
外国人が滞在している間は保証人であり続ける必要があるため、日本に継続して居住していることが求められます。
また、滞在費用や帰国費用の支払いを保証する立場になるため、基本的に経済的に安定していることが望ましいです。
身元保証人の具体例としては、以下のような人々が挙げられます。
- 日本人の配偶者
- その他の親族
- 勤務先の上司や同僚
- 友人
なお、書類提出後には、身元保証人に対して事実確認の連絡が入ります。
保証人になる方に自覚がない場合は、申請が認められない可能性があるので注意が必要です。
入管法上の身元保証人の必要書類
入管法上の身元保証人になるためには、いくつかの書類の提出が必要です。
以前は多くの書類が求められていましたが、現在は申請が簡素化され、必要書類は減少しています。
ここでは、必要な書類とその詳細について解説します。
提出が必要な書類
入管法上の身元保証人になるために必要な提出書類は、以下の2つです。
- 身元保証書
- 身元保証人の身分事項を明らかにする書類(運転免許証など)
以前は、身元保証人の課税証明書や住民票、在籍証明書などの提出も求められていました。
しかし、現在は申請手続きが簡素化され、上記の2つの書類のみで手続きが可能になっています。
身元保証人の身分事項を明らかにする書類には、以下のようなものがあります。
- 運転免許証
- 在留カード
- マイナンバーカード
- パスポート
これらのうち、いずれか1つの写しを提出することで身分証明となります。
身元保証書の入手と記入方法
身元保証書は、出入国在留管理庁のホームページから書式をダウンロードし、印刷することができます。
必要事項は、保証人の氏名以外は手書きでなくても構いません。
ただし、保証人の氏名は自筆で記入する必要があるので注意しましょう。
入管法における身元保証人について理解を深め安心して申請をしよう
入管法上の身元保証人制度は、外国人の適切な在留をサポートする重要な仕組みです。
身元保証人の責任は主に道義的なもので、法的拘束力はありません。
しかし、滞在費用や帰国費用の支払い、法令遵守のサポートなど、重要な役割を担っています。
必要書類は身元保証書と身分証明書類の2点で、以前より簡素化されました。
外国人採用を検討している方々は、これらの情報を理解したうえで、適切な身元保証人を選定し、安心して申請を行うことができます。
正しい理解が、スムーズな外国人材の受け入れにつながるのです。