グローバル化が進むなかで、日本語を話せない外国人と一緒に仕事をする機会が増えています。
言葉の壁があると、コミュニケーションがうまくいかず、仕事の効率が下がってしまうこともあるでしょう。
そこで、本記事では、日本語を話せない外国人とのコミュニケーション方法や、会話レベルを上げる方法について解説します。
また、採用時に日本語を話せない外国人を見分けるポイントについても触れていきます。
目次
日本語を話せない外国人とのコミュニケーション方法は?
日本語を話せない外国人とコミュニケーションを取る際は、相手の言語レベルに合わせた対応が求められます。
ここでは、具体的なコミュニケーション方法について解説していきます。
やさしい日本語を使用する
やさしい日本語とは、外国人や日本語学習者が理解しやすいように、わかりやすい表現を用いた日本語のことです。
やさしい日本語を使用する際は、主語・述語を明確にした、シンプルな文にすることが大切です。
一文は短くし、専門用語や難しい言葉の使用は避けましょう。
小学生に伝わるような表現を心がけてください。
また、難しい漢字にはふりがなを振るか、ひらがなに直すのも効果的です。
尊敬語や謙譲語は使わないように意識しましょう。
会話の速度を遅くする
日本語を話せない外国人との会話では、速度を遅くするのも効果的です。
会話の速度が速いと、単語が聞き取れず理解が追いつかないことから、外国人は何を言っているのかがわからなくなってしまいます。
そうなると、会話を聞き取ろうと必死になり、頭の中が真っ白になってしまったりして焦ってしまうでしょう。
少し待ってほしいとも言えない状況では、不安に感じてしまうようになります。
会話に参加できず、質問する時間もないと、理解することを諦めてしまうかもしれません。
ゆっくりと丁寧に話すことで、外国人も会話の内容を理解しやすくなるはずです。
ジェスチャーを使用する
言葉だけでは伝わりにくい意味を伝えるために、ジェスチャーを使用するのも効果的です。
ジェスチャーを使用することで、コミュニケーションの精度を高めることができるでしょう。
ただし、国によっては絶対に使ってはいけないジェスチャーなどもあるので、注意が必要です。
相手がどの国の人で、どのようなジェスチャーは使用すべきでないのかということを、事前に知っておくことをおすすめします。
適切なジェスチャーを使用することで、言葉だけでは伝わりにくい意味を補うことができるでしょう。
相手の反応を見ながら会話する
日本語を話せない外国人との会話では、相手の反応を見ながら話すことが大切です。
相手の身振り手振り、声のトーン、表情の変化をうかがうことで、自分の伝えたいことが伝わっているかどうかを確認でき、円滑なコミュニケーションが可能になります。
また、相手の反応から、どこを理解できていないのかという推測や、関心のあるトピックは何かを予測することができるでしょう。
相手の反応を見ながら、わかりやすく丁寧に話すことを心がけてください。
外国人とのコミュニケーションがスムーズになるはずです。
日本語を話せない外国人の会話レベルを上げるには?
日本語を話せない外国人との円滑なコミュニケーションのためには、外国人の日本語レベルを上げることも重要です。
ここでは、外国人の会話レベルを上げる方法について解説していきます。
日本語学習サービスを利用する
外国人向けの日本語学習サービスを利用するのは、会話レベルを上げるための効果的な方法の一つです。
日本語学習サービスとは、日本語を学習したい外国人向けに、ビジネスにおける日本語をプロの講師から学べるサービスのことです。
経験豊富なプロの講師から質の高いレッスンを受けることができるため、短期間で効率的に日本語を学習できるでしょう。
オンラインで受講できるサービスであれば、場所や時間に縛られないため、本人の生活や会社の働き方に合わせて学習できます。
また、会社として、外国人社員の日本語学習をサポートすることも大切だといえます。
日本語で話す機会を増やす
外国人の会話レベルを上げるためには、実際に日本語で話す機会を増やすことが重要です。
言語は、実際に話したり聞いたりしなければ身につくことはありません。
はじめのうちは日本語に慣れていないため、理解するのに時間がかかったり、誤解していたりすることがあるかもしれません。面倒だと感じることもあるでしょう。
しかし、あきらめずに日本語で会話するということを忘れないようにしてください。
仕事中は専門用語などの難しい言葉を使用しなければならない場面があるため、まずは仕事以外の休憩中やプライベートな時間で、わかりやすい言葉で日本語の会話を投げかけていくことが大事です。
会話のミスを責めない
外国人が日本語で会話する際は、ミスをすることがあります。
しかし、そのミスを責めてしまうと、間違いを恐れて会話をしなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
日本語に慣れていないため、会話のミスが起こるのは当然のことです。
会社としてそのことを理解し、外国人が話しやすい雰囲気を作ることが必要不可欠といえるでしょう。
実際に会話するということ以上に、言葉を覚える近道はありません。
会話の機会が減ってしまうようなことはしないよう、ミスを恐れずに話せる環境づくりが大切です。
採用時に日本語を話せない外国人を見分けるポイント
外国人を採用する際は、日本語能力を見極めることが重要です。
ここでは、採用時に日本語を話せない外国人を見分けるポイントについて解説していきます。
日本語能力試験(JLPT)を確認する
外国人の日本語能力を測る指標として、日本語能力試験(JLPT)があります。
日本語能力試験とは、日本語を母語としない人の日本語能力を測定し、認定する試験のことです。
試験にはN5からN1までのレベルがあり、N5が最も簡単で、N1が最も難しい試験となっています。
外国人を採用する際は、N2以上を基準にすることをおすすめします。
N2以上の日本語能力があれば、日常生活やビジネスで必要な日本語能力がある程度身についていることが予想できるからです。
面接で実際に会話をしてみる
外国人の日本語能力を測るには、面接で実際に会話をしてみることが大切です。
日本語能力検定では、外国人の「話す」と「書く」の能力がわからないため、面接で外国人の会話力を測定することが必要不可欠となります。
実際の業務をシミュレーションした面接を行えば、資格試験からでは判断できないビジネス上のコミュニケーションに問題はないのか、自社で働く際にスムーズに会話できるのかということを知ることができるでしょう。
実際に会話をしてみることで、外国人の日本語能力を総合的に判断できるはずです。
学ぶ能力があるのかを判断する
外国人の日本語能力を見極める際は、日本語を学ぶ能力があるかどうかを判断することも重要です。
日本語を学ぶ能力があれば、採用時に会話がつたなくても、入社後に日本語能力が上がっていくことが期待できるからです。
日本語が上手であるからといって優秀な社員であるとは限りません。
表面的な日本語力だけにとらわれるのは、危険だといえるでしょう。
履歴書に書かれている内容や面接などで、学習能力がどれくらいあるのかを判断するほうが重要です。
外国人の日本語能力だけでなく、学ぶ意欲や能力も見極めることが大切だといえます。
外国人人材が日本語を話せないときの接し方を理解しよう
日本語を話せない外国人とコミュニケーションを取る際は、相手の言語レベルに合わせたやさしい日本語を使用し、ゆっくりと話すことが大切です。
また、ジェスチャーを使用したり、相手の反応を見ながら会話したりすることで、円滑なコミュニケーションが可能になるでしょう。
外国人の日本語レベルを上げるためには、日本語学習サービスの利用や日本語で話す機会を増やすことが効果的です。
会話のミスを責めずに、話しやすい環境を作ることも重要となります。
採用時には、日本語能力試験の結果や面接での会話から、外国人の日本語能力を見極めましょう。
学ぶ能力があるかどうかを判断することも大切です。
外国人が日本語を話せないときは、適切な対応を心がけることが求められます。
外国人の日本語レベルに合わせたコミュニケーションを取ることで、外国人との円滑な協働が可能になるはずです。