外国人雇用状況届出システムとは、外国人を雇用する際に所定の手続きを行うための政府システムです。
このシステムを利用することで、スムーズな外国人雇用を実現できます。
本記事では、外国人雇用状況届出システムの使い方やメリット、活用時の注意点などを紹介します。
目次
外国人雇用状況届出システムとは?
外国人を雇用する際には、「出入国管理及び難民認定法」に基づき、「外国人雇用状況の届出」の提出が義務付けられています。
届出は、雇用契約を結んだ月の翌月末までに行わなければならず、届出が遅れると、事業主に対して30万円以下の罰金が科される可能性があります。
外国人材の活用を適切に行うためには、法令を遵守し、期限内に確実に届出を済ませることが欠かせません。
外国人雇用状況届出システムは、こうした外国人雇用時の届出を効率的かつ正確に行うために、政府が提供しているシステムです。
外国人雇用状況届出システムの使い方
外国人雇用状況届出システムの使い方について、順を追って紹介します。
外国人雇用状況届出システムを使うにはユーザー登録が必要
外国人雇用状況届出システムを利用するためには、まずユーザー登録が必要です。
登録方法は簡単で、「外国人雇用状況届出システム」のホームページにある「ユーザーID新規登録」からできます。
事業主の方は、会社情報や代表者情報などを入力し、IDとパスワードを設定しましょう。
登録が完了すれば、すぐにシステムを使い始めることができます。
使い方1:外国人が雇用保険の被保険者のとき
雇用している外国人が雇用保険の被保険者の場合、「雇用保険被保険者資格取得届」または「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出することにより、「外国人雇用状況の届出」を行ったことになります。
これらの届出書もシステム上で電子申請が可能です。
従業員の入社日や退職日などの必要事項を入力し、確認後に送信すれば手続きは完了です。
使い方2:外国人が雇用保険の被保険者ではないとき
雇用している外国人が雇用保険の被保険者資格を持たない場合は、「外国人雇用状況届出書」の提出が必要です。
雇用した際と離職時の両方で、この届出書を提出しなければなりません。
こちらの場合も、現在はシステムから手続きが可能です。
システム上で雇用契約の内容を入力し、誤りがなければ送信するだけで済みます。
外国人雇用状況届出システムの操作方法
外国人雇用状況届出システムを使う際は、以下の手順に沿って操作します。
1. インターネットに接続された端末でWebブラウザを起動し、「ハローワークインターネットサービス」にアクセスする
2. ホーム画面から「事業主の方」>「外国人雇用状況届出について」>「外国人雇用状況届出」を順にクリックする
初めて利用する場合は「ユーザー情報登録」から行う
3. 登録が完了するとログイン画面が表示されるため、IDとパスワードを入力してログインする
4. メニューから「新規登録」を選び、従業員の雇用情報や在留資格、雇用契約内容など必須項目を入力する
5. 入力が済んだら、内容を確認し送信
提出が完了すれば受理通知が届く
外国人雇用状況届出システムを活用するメリット
外国人雇用状況届出システムを活用することで、以下のメリットがあります。
- 手続きの手間を大幅に省ける
- 24時間いつでも外国人雇用状況届出書を提出できる
手続きの手間を大幅に省ける
外国人雇用状況届出書の提出に際して、以前はハローワーク(公共職業安定所)に出向く必要がありました。
書類の記入、確認、提出など、一連の手続きをハローワークの窓口で行わなければならず、事業者にとって大きな時間的・体力的負担となっていました。
外国人雇用状況届出システムを活用すれば、インターネット上ですべての作業を完結できるため、ハローワークへ行く手間を省けます。
また、入力ミスも修正しやすい点もメリットです。
従業員の雇用手続きに費やす時間を大幅に削減でき、本業に専念しやすくなります。
特に、多くの外国人を雇用する企業ほど、負担軽減の効果は大きいでしょう。
24時間いつでも外国人雇用状況届出書を提出できる
外国人雇用状況届出システムは、24時間365日いつでも手続きができる点もメリットです。
ハローワークの窓口対応は通常、平日の昼間に限られているため、事業者が提出や修正作業を行える時間に制限がありました。
オンラインシステムであれば、従業員の雇用契約を夜間や休日に結んだ場合でも、すぐに届出が可能です。
また、届出内容の誤りに気付いた場合も、すぐに修正ができて便利です。
事業者のニーズにシステムが柔軟に対応できることで、外国人雇用に関する事務作業の自由度と効率性が大幅に向上します。
業務の時間外にでも対応可能な点は、大きなメリットといえるでしょう。
外国人雇用状況届出システムの注意点
便利な外国人雇用状況届出システムですが、適切に活用するためにはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。
ハローワークに外国人雇用状況届出書を提出したことがある場合は切り替えが必要
これまでに紙の外国人雇用状況届出書をハローワークに提出したことがある事業主は、オンラインシステムに切り替える際の手続きが必要になります。
システム上ですでに登録されている従業員情報を引き継ぐ作業が発生するため、ハローワークに切り替えの連絡をし、必要な対応を行わなければなりません。
外国人雇用状況の届出についてのページにある「外国人雇用状況届出電子届出切替・変更申請書」を提出して、切り替えの手続きをしましょう。
切り替え作業を怠ると、重複して届出がなされた形になり、手続きが不備になってしまう恐れがあります。
手続きが完了したと勘違いする可能性がある
外国人雇用状況届出システムは、インターネット上での手続きになるため、書類を提出した際の対面確認がありません。
そのため、入力ミスや未送信などで実際には手続きが完了していないにも関わらず、完了したと勘違いしてしまうリスクがあります。
システムを使って届出をした際は、必ず手続きが完了したか確認しましょう。
もし手続きが完了していなかった場合は、最寄りのハローワークで書面による届出をする選択肢もあります。
外国人の離職時にも提出する必要がある
外国人雇用状況の届出は外国人の雇用時だけでなく、離職時にも提出しなければなりません。
離職時の届出を怠ると違反となり、過料の対象になる可能性があります。
外国人の入退社の両方で、確実に届出を行うようにしましょう。
外国人雇用状況届出システムで手続きを円滑に
外国人雇用状況届出システムによって、従来の書面による手続きに比べて手間が減り、業務負担の軽減につながります。
インターネット上で24時間いつでも届出ができ、ハローワークに出向く手間も不要になるなど、さまざまなメリットがあります。
日本における人手不足の問題に対処するため、外国人雇用は重要な解決策の一つです。
外国人雇用状況届出システムを用いて外国人の雇用を効率的に行い、企業の成長を促進しましょう。